2. 【最新】2022年10月 各金融機関のローン金利状況
それでは、気になる2022年10月最新の各金融機関の住宅ローン金利を見てみましょう。
【2022年10月各金融機関最新住宅ローン金利】
長期金利の指標である新発10年国債は7月末で0.185%、8月末0.235%、9月末0.277%と上昇傾向にありますが、固定金利の引き上げ引き下げは銀行によって対応が分かれています。
目安となる日本の長期金利だけでなく、他行との金利優遇競争などが絡み、各金融機関がそれぞれの判断で金利を設定する状況が続いているといえるでしょう
変動金利に関してはほとんどの金融機関で引き続き横ばいが続いています。
3. 今後のローン金利の行方は? 各シンクタンクの長期予測
2022年以降、横ばいの変動金利、上昇傾向にある固定金利といった状況ですが、今後10年間で金利はどのように変動するのでしょうか?
シンクタンク3社が公表している日本経済の中期予測をまとめてみました。
【金利に関する各シンクタンク中期予測】
各シンクタンクの予測内容について、以降詳しく解説します。
3.1 ニッセイ基礎研究所
ニッセイ基礎研究所は、2028年に日銀が金融緩和の正常化に着手、マイナス金利政策を終了するものと予測しています。
同年、変動金利の指標となる無担保コールレートが政策金利として復活。0.10%で復活し、当面そのままの水準を維持するものと推測されています。
一方長期金利は当面0.2%強で推移し、2025年以降0.3~0.5%台へ緩く上昇。2028年度のマイナス金利政策終了後も緩やかに上昇が続くものの、10年後の2032年度においても1%には届かないと見込んでいます。
また日銀が金融政策決定の指標の1つとしている消費者物価指数について、ニッセイ基礎研究所は以下のような推移を予測しています。
2022年に2%を超える上昇となった消費者物価指数ですが、2023年には1%強に落ち着いた後、2028年に向けて1.7%まで上昇。2032年までの10年間で平均1.4%程度になるものと見込まれています。
3.2 三菱 UFJ リサーチ&コンサルティング
三菱 UFJ リサーチ&コンサルティングは、今後の短期金利・長期金利・消費者物価指数の推移を以下のように予測しています。
具体的な金融政策正常化、利上げのタイミングは明示していないものの、2023年には財政健全化への本格的な議論が開始されるのではと推測。
短期金利は2023年にプラスに転じて以降断続的に上昇し、2030年には0.25%に、長期金利は2020年以降断続的に上昇し、2030年には0.7%になると予測しています。
消費者物価指数は2030年に0.6%と予測。他2社のシンクタンクよりも低めの予測となっています。
3.3 大和総研
大和総研の今後の短期金利・長期金利・消費者物価指数(CPI)の推移予測は以下の通りです。
消費者物価指数(CPI)は2023年度以降0.8%程度で推移した後、2027年度頃から緩やかに上昇。2031年度のCPIは年率+1.2%まで上昇すると見込んでいます。
CPIが1%程度で安定するタイミングに伴って金融政策の正常化に着手。2028年度に利上げが実施され、2031年度には短期金利0.5%、長期金利1.1%まで上昇と推測しています。
どちらも他2社のシンクタンクより高めの金利予測となっているようです。