ロスジェネ世代と就職氷河期は、なにかと話題にあがることが多いワードです。
就職氷河期という時代の波に翻弄されたロスジェネ世代は、非正規が多く人生に絶望している人が多い、と言われることがしばしばあります。
12月はボーナスシーズンでもありますが、非正規ではボーナスが支給されないケースも多く、こうした格差を目の当たりにする方もいます。
果たして実際のところはどうなのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ロスジェネ世代の貯蓄額の二極化の事実や、他の世代と相対的に見る非正規雇用の割合をもとに、社会の中のロスジェネ世代の立ち位置を紹介しています。
調査結果をもとに事実を確認していきましょう。
就職氷河期を経験したロスジェネ世代とは?
ロスジェネ世代とは、1970年~1984年頃に生まれの、2022年時点で40〜50代前半にさしかかる世代のことを指します。
ロスジェネとは、ロストジェネレーションの略語で、直訳すると失われた時代、という意味です。
バブルが崩壊した1991年以降、約10年間の就職氷河期に就職活動を行っていたことから、ロスジェネ世代の他に、就職氷河期世代と呼ばれることもあります。
ロスジェネ世代は就職難の体験によって、仕事がある事のありがたみとともに、お金の大切さを理解している世代です。
実際に高いモチベーションを持って社会で活躍している人が多くいます。
一方で厳しい不況の中、人生が思う通りにならない事も多く、絶望とともに悪循環に陥った人たちが一定数存在するのも事実です。
政府はロスジェネ世代を対象に、就職氷河期世代支援プログラムという就職支援策を始めています。
調査結果でみるロスジェネ世代の非正規割合
ロスジェネ世代の特徴として、非正規雇用が多いと言われることがあります。
労働政策研究・研修機構がまとめた調査結果を確認してみましょう。
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出所:独立行政法人労働政策研究・研修機構「長期労働統計」
2019年時点でロスジェネ世代に該当する30代後半から40代後半の世代の非正規率は、やや高くなっています。
合わせて総務省が2021年にまとめた労働力調査から、ロスジェネ世代の非正規の割合をピックアップしました。
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出所:総務省「労働力調査」より筆者作成
35〜54歳の世代で女性の非正規割合増加の要因は、育児や家事の合間に扶養内の範囲でパートに出ているためと想定されます。
65歳以上で非正規が多いのは、定年後の再雇用やシルバー雇用のアルバイトが多いためでしょう。
総務省の調査からは、一般的な生活背景を鑑みても、特別ロスジェネ世代の非正規雇用が多いとは言い切れないようです。
ロスジェネ世代と呼ばれる40〜50代の貯蓄額
金融広報中央委員会がまとめた家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年以降)のデータより、40〜50代の貯蓄に関する数値も見ていきます。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年以降)」より筆者作成
金融資産非保有世帯は40代で27.6%、50代で26.3%です。
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出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年以降)」より筆者作成
また平均額は40代が891万円で50代が1305万円。中央値は40代が200万円で50代が350万円です。
ロスジェネ世代においては、平均は中央値のおよそ4倍程度です。
中央値と平均値の隔たりは、就業している人と、学生が混在している20歳代は別に見ると、全世代においておおよそ3〜4倍となっています。
非正規の割合や貯蓄額の調査を見る限りでは、特別ロスジェネ世代だけが苦境に立たされている、という印象は受けませんでした。
しかし、政府が特別に就職支援施策を行っている世代なので、絶望とともに浮上のきっかけを失っている人が多い可能性はあります。
まとめ
就職氷河期を生きたロスジェネ世代の貯蓄額は二極化しているのか?というテーマのもとに調査結果を検証しました。
相対的に見て、飛び抜けて非正規が多い世代というわけでもありません。
ロスジェネ世代の方の中にも、時代に翻弄されたハンディキャップを乗り越え、社会で活躍している人がいるものです。
一方で、政府が就職氷河期の就職支援施策を行っているところを見ると、データで表れない実態があるともいえます。
ロスジェネ世代にあたる40〜50代は、親の介護や子供の教育費、家のローンの支払いなど、なにかと大変な時期に差し掛かります。
しかし、ロスジェネ世代はお金の大切さを知る世代でもありますので、支出が多く大変な時期を、しっかり乗り越えていくのではないでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[総世帯](令和3年以降)」
- 総務省「労働力調査(詳細集計)2021年(令和3年)平均」
- 独立行政法人労働政策研究・研修機構「長期労働統計」
LIMO編集部
