「厚生年金、ひと月15万円では？」シニア女性が年金の振込額に目を疑ったワケ 年金世代のシングル世帯「ひと月の生活費」平均はいくら？

2. 厚生年金「ひと月平均15万円」受け取る女性はどのくらい？

さいしょに今のシニア世代の年金受給の状況を見ていきます。

2.1 【男女全体】厚生年金の平均月額は「14万4366円」

厚生労働省「令和2年度　厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の受給額は月平均で14万4366円です。

男女全体の厚生年金の平均月額は、さきほど触れた「65歳以上・単身無職世帯」のひと月の平均支出額（14万4747円）をちょうどカバーできる金額ですね。

では、実際にこの金額を受け取れている女性はどのくらいいるのでしょうか。今度は厚生年金の年金月額分布の「男女別」グラフを見てみましょう。

厚生年金の月額が「15万円以上」の女性はどのくらいいるでしょうか。

2.2 【女性】厚生年金の平均月額はいくら？

グラフからも分かるように、平均月額やボリュームゾーンには大きな男女差があります。女性の平均受給額は10万3808円、男性の平均受給額は16万4742円です。

月15万円以上の年金を受給している女性の人数を抜き出してみます。

• 15万円以上～16万円未満：15万2367人
• 16万円以上～17万円未満：10万9888人
• 17万円以上～18万円未満：7万5929人
• 18万円以上～19万円未満：5万1905人
• 19万円以上～20万円未満：3万7458人
• 20万円以上～21万円未満：2万4850人
• 21万円以上～22万円未満：1万6796人
• 22万円以上～23万円未満：1万976人
• 23万円以上～24万円未満：6934人
• 24万円以上～25万円未満：3951人
• 25万円以上～26万円未満：2188人
• 26万円以上～27万円未満：1098人
• 27万円以上～28万円未満：516人
• 28万円以上～29万円未満：208人
• 29万円以上～30万円未満：144人
• 30万円以上～：375人

厚生年金（基礎年金を含む）を受給できる女性は全体で538万3889人。そのうち15万円以上の年金額を受給できる数は49万5583人。厚生年金を受け取る女性の1割弱（9.2%）と、非常に少ないことが分かります。

「この9％の中に入る女性たちの老後生活には、きっとゆとりがあるだろう」と羨ましい気持ちになった人もいるかもしれませんが、実は、単純にそうとも言い切れないのです。

次で詳しく見ていきましょう。