4. 年金以外の老後資金づくりはどうする?
今回は、「年金世代のシングル世帯」の平均的な家計収支をながめたあと、いまのシニア世代の年金受給額分布や、年金から天引きされるお金について具体的に整理しました。
厚生年金の年金額は、現役世代の稼ぎと年金加入期間によって決まります。年金月額15万円以上の女性は、女性全体の9%と数少ない存在ですが、「それでも」公的年金だけを頼りにするマネープランは心もとないといえそうです。
現役世代のみなさんが「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で把握できる将来の受給見込額は、あくまでも天引き前の「額面」です。
年金からも天引きされるお金がある点も心づもりしながら、老後資金の準備を進めていけるとよいですね。
預貯金をコツコツ増やすとともに、資産運用でお金を育てる視点を持ってみるのもオススメです。
国の税制優遇制度である「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」の活用の検討もよいでしょう。いずれも、資産運用で得た利益が非課税になるメリットがあります。
「投資」という響きに、やや敷居の高さを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、つみたてNISAやiDeCoなどで少額からスタートしてみるのも一案です。
ご自身のライフスタイルに合う方法で、「老後に向けたお金の準備」を始めていけるとよいですね。
参考資料
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省「家計調査年報(家計収支編)2021年(令和3年)Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支」
- 東京都後期高齢者医療広域連合「保険料の算定方法」
- 八王子市「令和3年度(2021年度)から令和5年度(2023年度)の介護保険料(所得段階)」
鶴田 綾