3. 「厚生年金、15万円のはずでは?」シニア女性が年金の振込額に目を疑ったワケ
年金月額が15万円を超える女性は、女性受給権者の約9%しか存在しないことが分かりました。
「この9%の中に入る女性たちの老後生活はきっと安泰だろう」と羨ましい気持ちになった人もいるかもしれませんが、実は、単純にそうとも言い切れないのです。
その理由の一つとして挙げられるのが、年金から天引きされる「税金や保険料」です。
ここでは東京都八王子市に住む女性(76歳)の例を参考に、年金生活の実態について見ていきましょう。
3.1 年金から天引きされる税金
厚生年金が月額15万円の場合、年間収入は180万円です。年金しか収入がない場合、所得税4623円、住民税1万6500円が天引きされます。
3.2 年金から天引きされる介護保険料
年金年額が18万円以上の場合、介護保険は年金からの天引きになります。八王子市の場合、年金収入が180万円の場合、介護保険料は年額7万9400円です。
3.3 年金から天引きされる健康保険料
76歳の場合、健康保険は「後期高齢者医療制度」になり、保険料は年間約4万8800円です。
これら天引きされる税金や保険料を合計すると、年間で約15万円です。
180万円-15万円=165万円で、月額の手取りは13万円台となります。
※概算なので実際の金額とは異なります。また天引きされる金額は年度途中に決まるため、1年を通して同じ手取り金額になるとは限りません。
いわゆる「額面」が15万円であっても、年金振込額は13万円台。年金から天引きされる税や社会保険料の存在は、意外と気づきにくいかもしれません。