今の60歳代はいくらの貯蓄を保有しているのか
では、定年退職を迎える人の多い現在の60歳代は、実際にいくらぐらいの貯蓄を保有しているのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)各種分類別データ」によると、貯蓄額の平均は2427万円、中央値は810万円でした。
こちらは金融資産を保有していない世帯を含む調査であり、実際に貯蓄ゼロという世帯も19.0%含まれています。
理想とされる3000万円以上を達成する割合は、22.8%にとどまることがわかりました。
今の60歳代といえば、バブル期を現役時代として謳歌できた方も多いです。とはいえ、約2割は貯蓄ゼロとなっているようです。
世帯によって支出の状況は異なりますが、退職金がない方、晩婚晩産で教育費が遅くまでかかる方など、さまざまな事情で老後資金が不十分になる方はいると予想できます。
各自にあった老後対策を
「2022年 定年退職に関する調査」から、現役時代が老後に抱える不安、資産形成の現状を見ていきました。
年収や年代によっても現状は異なるようです。しかし、公的年金が減少傾向にある今、老後の対策は誰にとっても必要な課題だと言えるでしょう。
今の60歳でも老後資金が不十分という方は一定数います。今後の人生を見据えると、長期間をかけた資産形成が必要でしょう。
今はつみたてNISAやiDeCoなど、節税しながら老後資金を貯める方法もあります。一定のリスクがあるため、各自のリスク許容度に応じた方法で老後の備えを始めていきましょう。
参考資料
太田 彩子