令和3年分の民間給与実態統計調査によると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は443万円(対前年比2.4%増)であり、これを男女別にみると、男性545万円(同2.5%増)、女性302万円(同3.2%増)となっています。
まもなくクリスマスやお正月など楽しみなイベントである反面、支出も多くなる季節が近づいて来ると、懐事情が気になる方も多いかもしれません。
冒頭の平均給与をふまえると、年収600万円程度あれば年収は多い方と言えるのでしょうか。今回は、年収600万円に視点をあてつつ、日本で最も多い年収帯を確認しながら、将来へのお金の備え方についてお話をしていきます。
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1. 年収600万円台はどれくらいいるのか
日本の年収について確認するために、国税庁の「令和3年分(2021年)民間給与実態統計調査」を参考に、給与階級別の給与所得者数を確認しましょう。
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出所:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」(2022年9月)
上記を見ると、全体の5244.6万人中、年収600万円台は全体で「339.5万人(6.5%)」。
男性は「287.2万人(9.4%)」女性は「65.4万人(3.0%)」でした。男性でも約1割満たさず、女性になるとかなりの少数派という結果です。
年収600万円以上で見ると、全体で21.0%。男性は31.2%、女性は7.1%です。男性であれば年収600万円以上はおよそ3人に1人と達成する可能性も高いですが、女性は限られた人のみが達成するという構図になりました。
2. 日本で最も多い年収帯はいくら?
では、先ほどの資料より最も多い年収帯を確認していきます。
全体では「300万円超400万円以下・914.5万人(17.4%)」「200万円超300万円以下・781.8万人(14.8%)」「400万円超500万円以下・788.2万人(15.0%)」の順で、年収300万円台の人が多い結果となりました。
男性は「300万円超400万円以下・517.2万人(16.9%)」「400万円超500万円以下・537.0万人(16.9%)」「500万円超600万円以下・422.1万人(13.8%)」。
女性は「100万円超200万円以下・497.1万人(22.5%)」「200万円超300万円以下・460.8万人(20.9%)」「300万円超400万円以下・397.3万人(18.0%)」と、やはり全体的に男性に比べると年収が低くなっていることがわかりました。
続いて、正社員(正職員)と正社員(正職員)意外の、平均給与を男女別で確認しましょう。
2.1 正社員(正職員)
平均給与:508万円
男性平均:570万円
女性平均:389万円
2.2 非正規
平均給与:198万円
男性平均:267万円
女性平均:162万円
ここまでの平均年収をふまえると、年収600万円は平均より上になるため、中流階級とも言えるのかもしれません。
ただし年収は年齢によるところも大きく、男性であれば45~59歳で平均年収600万円を超えてきます。また業種によっても異なり、平均年収で600万円を超えるのは「電気・ガス・熱供給・水道業(766万円)」「金融業・保険業(677万円)」「情報通信業(624万円)」。
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出所:国税庁「令和3年分民間給与実態統計調査」(2022年9月)
年収600万円以上を目指すには、年齢や業種、また企業規模などによっても違いがあると言えるでしょう。
3. 将来を見据えた計画を
子育て世帯の場合、どうしても今の生活のことを中心に考えてしまうのは当然のことでしょう。これからの時期は、クリスマスプレゼントやお年玉など、お金に羽が付いているのではないかと感じるのは、おそらく私だけではないと思います。
しかし、年収は今の生活だけでなく、将来の年金額にも影響することを忘れないでください。会社員や公務員などが加入する「厚生年金」は、加入月数や収入に応じて納めた保険料により、将来の受給額が変わります。すなわち報酬比例ということです。
厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によれば、今のシニア世代の厚生年金の平均月額を参考に確認していきましょう。
3.1 厚生年金の平均月額
〈全体〉平均年金月額:14万4366円
〈男性〉平均年金月額:16万4742円
〈女性〉平均年金月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
受給分布図をみてみると、1万円未満から30万円以上までバラつきがあることが見て取れるでしょう。
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出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
男性のボリュームゾーンはひと月15~20万円、女性は7~12万円。年収が少なければ、将来の厚生年金額にも影響するのです。定年退職後は、自由な時間も増えるでしょう。そうなると、計画しだいでは今の生活以上に資金が必要となるかもしれません。
公的年金だけに頼らず、貯蓄など他の方法で備える必要があるかもしれません。とは言え、今となれば銀行にお金を預けておくだけでは、なかなか資産は増えていかないでしょう。
「お金にも働いてもらう」、つまり「資産運用」を活用しながら、自助努力で資産を増やしていくことができれば、将来の安心につながる可能性はあるでしょう。
すぐに年収を上げることは容易なことではありません。だからこそ、公的年金だけに頼らない老後を迎えるために、資産運用の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
参考資料
吉田 奈都子
