延期されたのは、消費税の増税が景気を悪化させて失業を増やすリスクを考えたからです。そうであれば、今後少子高齢化により労働力不足時代となり、増税して景気が悪化しても失業が増えない時代になれば、増税が今より容易に行えるようになる、ということになるでしょう。
労働力不足による賃金上昇でインフレ気味の経済になる、という点も重要です。インフレ抑制の王道は日銀による金融引き締めですが、日銀が金融を引き締めると金利が上昇して政府の利払負担が巨額にのぼります。
したがって、「日銀は金利を上げず、代わりに政府が増税をして景気を悪化させてインフレを抑制する」というポリシーミックス(政策の組み合わせ)が採用されることになるでしょう。そうなれば、増税がインフレ抑制策と財政再建策の一石二鳥となるわけです。
人口減少で日本人が一人になれば、すべて解決する
極端な話ですが、頭の体操として、少子化による人口減少で数千年後に日本人が一人になった時のことを考えてみましょう。
日本政府は1000兆円強の借金を抱えていますから、最後の一人から1000兆円強の税金を徴収します。しかし、その子は1800兆円の個人金融資産をすべて相続しますから、余裕で税金を支払い、数百兆円を使って優雅な人生を送ることになるでしょう。何も問題は起きません。日本人が最後の二人になった時には、金持ちと貧乏人が殴り合いの喧嘩をするかも知れませんが(笑)。