2. 繰下げ受給のデメリット(1):特別支給の老齢厚生年金は繰下げできない

1961年(昭和36年)4月1日以前に生まれた男性、1966年(昭和41年)4月1日以前に生まれた女性は、老齢基礎年金の受給資格期間があること、厚生年金保険などに1年以上加入していたことなどの要件を満たすことで、60歳から64歳までの間に特別支給の老齢厚生年金が受け取れます。

この特別支給の老齢厚生年金には、繰下げ制度そのものがありませんので注意しましょう。

3. 繰下げ受給のデメリット(2):加給年金がもらえない

加給年金は、厚生年金に20年以上加入した被保険者(夫)が65歳に到達したとき(または定額部分の支給開始年齢に達したとき)、生計を維持している65歳未満の配偶者、18歳未満などの子どもがいる場合に支給されます。

出所:日本年金機構「加給年金額と振替加算」

しかし、老齢厚生年金を繰下げしても、同じく加給年金が増えるわけではありません。

加給年金は、扶養家族の年齢が影響する年金のため、老齢厚生年金を繰下げ受給することで、子どもの年齢や配偶者の年齢が該当から外れると、もらえなくなることもあります。