おひとりさまに資産運用は必須なのか
ひとりの老後生活は、どこに住むか、持ち家か賃貸かでも大きく変わります。
たとえば厚生労働省によると、厚生年金の平均月額は男性で16万円台、女性で10万円台。
老後のひとりの平均生活費は、持ち家で平均14万円台です(参考:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」)。
賃貸であれば、家賃により異なりますが月20万円近く必要な方もいるでしょう。男女ともに、年金だけでは生活できない可能性が高まります。
老後の生活費の赤字を補うには、個人年金保険やiDeCoを利用した「私的年金」が有効でしょう。
また、病気や介護にお金がかかることも想定すると、まとまった貯蓄が必要になります。
おひとりさまでも生涯独身で正規雇用であればまとまった貯蓄がある方もいますが、非正規雇用だったり、離別や死別の場合には、預貯金のみでは老後資金が足りないことも考えられます。
転職や副業で収入を増やすことも可能ですが、ひとりで収入を増やすには限度があります。
資産運用は「お金に働いてもらう」もので、値上がりや利息による利益を期待します。リスクはありますが、方法によってはリスクを抑えながら資産を増やすことも可能でしょう。
資産運用のメリットはお金が増える可能性があるだけでなく、その経験と知識にもあります。
運用に定年はないですから、老後に入っても資産運用を続けられれば、コツコツと貯蓄を減らさないようにしたり、増やすことも可能でしょう。
ひとりの老後を生き抜くには資産運用も有効です。まずは自分のリスク許容度や、ライフスタイルに合った運用を探すことをおすすめします。先ほどご紹介したつみたてNISAのように、一度設定すれば長期間積み立て、利息に利息がつく複利の力を期待する投資方法も忙しい現役世代には向いているでしょう。
まとめにかえて
ひとりの老後に備えるには、貯蓄、公的年金、私的年金、資産運用、また長く仕事を続けるなどさまざまなアプローチ方法があります。
これらを早くからはじめて備えること、経験を積んでおくことが大切でしょう。
危機意識をもち備えることで、ひとりでも老後に備えることはできます。まずは生活から見直してみてはいかがでしょうか。
参考資料
- 厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」
- 日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年6月30日現在)について」
- 日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」
- 厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」
- 金融庁「つみたてNISA」
宮野 茉莉子