生涯独身や離別・死別で「おひとりさま」となる人たちは昔に比べて増えています。

結婚しない若者が増えているだけではありません。

厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」によれば、65歳以上のもいる世帯の世帯構造をみると、単独世帯は28.8%、夫婦のみの世帯は32.0%。

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出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

出所:厚生労働省「2021年 国民生活基礎調査の概況」

65歳以上で単独世帯と夫婦のみの世帯は同程度となっており、昔に比べて高齢の単独世帯も増加しています。

生き方が多様化する社会情勢をみても、おひとりさまが増える流れは続くでしょう。

一般的にひとりだと生活コストがかかるといわれますが、コントロール次第で抑えることも可能です。ひとりの老後に向けた資産管理法を見ていきましょう。

ひとりだと生活コストがかさむ?コントロール次第な面も

一般的に、ひとりだと生活コストがかかると言われています。

たとえば家賃や光熱費などは2人なら分担できますよね。食費についても、ひとり分作るなら買ったほうが安く済むなんて考え方もあります。

意外と2人で住んだ方が生活コストは抑えられるものですが、ひとりでも生活コストを抑えることは可能です。

特に家賃や光熱費は収入の多くを占めるため、できるだけ抑えたいところ。若い頃は好きな場所に住みがちですが、先々の貯蓄に備えてできれば家賃を抑えられる場所に住むといいでしょう。

ただし、家賃は低くても交通費がかかるところではあまり意味がないことも。

生活するには家賃だけでなく、交通手段も重要です。家賃を抑えつつ、職場や病院、スーパーへ行く交通費はさほどかからない場所が理想でしょう。

光熱費はできるだけ安く抑えるために、定期的に見直したいもの。

意外と見逃しがちなのがガス代です。一般的にプロパンガスのほうが都市ガスより高くなり、特に冬場のガス代はかさみます。長く使用することを考えると、引っ越しの際は都市ガスかどうかも確認しましょう。

今値上げが続く「食費」についても、ひとりだと作るのが面倒だったり、意外と材料費や光熱費がかかりますよね。

ただ、今は時短でできるレシピも数多くあり、昔よりも手間ひまかけずに自炊できるようになりました。

ひとりで生きていくには「健康であること」が重要です。健康であれば長く働き続けられますし、医療費もかかりません。健康面を考えても、簡単にできる自炊でレパートリーを増やすといいでしょう。

外食についても、週◯回とマイルールを決めることをおすすめします。

2人なら生活コストが抑えられるものの、例えばパートナーがたばこを吸う方であれば、その分生活費はかさむもの。

ひとりだと意識して取り組めば自分で生活費をコントロールしやすいというメリットはあるでしょう。

NISA口座数は30歳代が最多。おひとりさまの老後対策は早めに

日々の生活費とともに、早めに考えたいのが「ひとりの老後資金」です。

「まだまだ先のこと」「先のことを考えるのは面倒」なんて思ってしまいがちですが、日本証券業協会「NISA口座開設・利用状況調査結果 (2022年6月30日現在)について」によると、国の税制優遇制度の一つであるNISA制度の口座数は30歳代が最も多くなっています。

特に若い世代に人気であるつみたてNISAの口座数をみると、30歳代で146万口座、40歳代で109万口座、20歳代で99万口座。

50歳代の57万口座、60歳代の17万口座と比べると、若い世代の口座数の多さがわかりますね。

つみたてNISAは長期間かけて行う積立投資のため、年代が上がると一般NISAの方を利用する方も多いでしょう。

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出所:金融庁「つみたてNISA」

出所:金融庁「つみたてNISA」

しかしNISA全体の口座数は30歳代が最多となると、老後の不安から運用をはじめる若い世代も多いとわかります。

早くから危機感を感じる人ほど、老後資金準備のスタートも早いのでしょう。

ひとりの老後生活費をイメージできるツールも

老後資金をイメージするためにも、まずおすすめしたいのが「ねんきんネット」です。

ねんきんネットでは誕生月に送られてくるねんきん定期便が電子版で見られるほか、今の条件が60歳まで継続すると仮定した場合の、将来の年金見込額を試算することができます。

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出所:日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」

出所:日本年金機構「「ねんきんネット」による年金見込額試算」

つまり、今の収入のままで、老後に月いくら年金が貰えるのかが試算できるわけですね。

厚生年金の計算は複雑ですから、将来の老後資金の目安を知るためにはこちらを利用しておおよその年金額を把握するのが良いでしょう。

ただし少子高齢化により、年金額は今の試算より減る可能性があります。

一度ねんきんネットの年金見込額を試算することで、老後の現実的な生活費がわかり、老後資金に備える意欲も増すでしょう。

おひとりさまに資産運用は必須なのか

ひとりの老後生活は、どこに住むか、持ち家か賃貸かでも大きく変わります。

たとえば厚生労働省によると、厚生年金の平均月額は男性で16万円台、女性で10万円台。

老後のひとりの平均生活費は、持ち家で平均14万円台です(参考:総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2021年(令和3年)平均結果の概要」)。

賃貸であれば、家賃により異なりますが月20万円近く必要な方もいるでしょう。男女ともに、年金だけでは生活できない可能性が高まります。

老後の生活費の赤字を補うには、個人年金保険やiDeCoを利用した「私的年金」が有効でしょう。

また、病気や介護にお金がかかることも想定すると、まとまった貯蓄が必要になります。

おひとりさまでも生涯独身で正規雇用であればまとまった貯蓄がある方もいますが、非正規雇用だったり、離別や死別の場合には、預貯金のみでは老後資金が足りないことも考えられます。

転職や副業で収入を増やすことも可能ですが、ひとりで収入を増やすには限度があります。

資産運用は「お金に働いてもらう」もので、値上がりや利息による利益を期待します。リスクはありますが、方法によってはリスクを抑えながら資産を増やすことも可能でしょう。

資産運用のメリットはお金が増える可能性があるだけでなく、その経験と知識にもあります。

運用に定年はないですから、老後に入っても資産運用を続けられれば、コツコツと貯蓄を減らさないようにしたり、増やすことも可能でしょう。

ひとりの老後を生き抜くには資産運用も有効です。まずは自分のリスク許容度や、ライフスタイルに合った運用を探すことをおすすめします。先ほどご紹介したつみたてNISAのように、一度設定すれば長期間積み立て、利息に利息がつく複利の力を期待する投資方法も忙しい現役世代には向いているでしょう。

まとめにかえて

ひとりの老後に備えるには、貯蓄、公的年金、私的年金、資産運用、また長く仕事を続けるなどさまざまなアプローチ方法があります。

これらを早くからはじめて備えること、経験を積んでおくことが大切でしょう。

危機意識をもち備えることで、ひとりでも老後に備えることはできます。まずは生活から見直してみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子