2. 国の税制優遇制度、パートの社会保険適用…考えられる対策はさまざま

50歳前後はお子さんの年齢も上がり、塾代や通信費、食費や外食費もかかる年代です。生涯で見れば最も収入が高くなる年代のため、財布の紐が緩み出費が増える場合もあるでしょう。

しかしお子さんの教育費を出し終われば、残り十数年で老後資金に備えることになります。ここからの十数年でどのようなアプローチをするかでセカンドライフも変わるでしょう。

貯蓄を増やすには「収入を増やし、支出を減らす」のが基本です。転職は厳しいですが、共働きをすることで世帯年収を上げることもできます。

2022年10月からはパートの社会保険適用が拡大され、パートの方でも特定適用事業所に勤め、一定要件を満たせば厚生年金に加入できます。収入を増やし、将来の年金額も増やすには得策と言えそうです。

また国はNISAやiDeCoといった、通常運用益に約2割かかる税金を非課税にする制度を用意しています。効率的に貯蓄するには、この制度を利用して資産運用をするのも一つです。

運用にリスクはありますが、定年はありません。きちんと情報収集をし、自分のリスク許容度に合った運用の経験を積んでおくと、老後も心強いでしょう。

来年以降の値上げがどうなるかはわかりませんが、貯蓄や老後資金に対して自身で対策を取る必要性は今後も増していきます。今回の統計を参考に、ご家庭でできることを考えてみてはいかがでしょうか。

参考資料

宮野 茉莉子