将来、自分が介護される立場になったとき、さまざまな心配がよぎると思いますが、中でも「お金」の心配は大きいと思います。
日本には40歳になるとすべての人が加入する介護保険制度があります。この制度があれば十分なのか、民間の介護保険に加入した方がいいのか、迷う人は多いでしょう。
そこで、民間の介護保険の必要性について考え、「必要な人」と「いらない人」に分けて解説します。年齢が上がるに従って身近になってくる「介護」について、お金の面から考えてみましょう。
1. 介護になる割合と介護費用の平均はいくらか
介護保険の話の前に、まずは介護を取り巻く現状を見てみましょう。
1.1 介護認定を受ける割合
厚生労働省の「令和2年度 介護保険事業状況報告(年報)」によると、要介護(要支援)認定者数は令和2年度末で約682万人となっています。
要介護(要支援)認定者数の推移を見ると、年々増えていることがわかります。
682万人のうち、介護保険の第1号被保険者(65歳以上の者)は669万人(男性209万人、女性460万人)となっています。
第1号被保険者全体に占める認定者の割合は全国平均で18.7%となっており、およそ5人に1人が介護認定を受けているといえます。
第1号被保険者の認定者をさらに年齢で区切ると、「65歳以上70歳未満」は22万人、「70歳以上75歳未満」は53万人、「75歳以上80歳未満」は85万人、「80歳以上85歳未満」は142万人、「85歳以上90歳未満」は183万人、「90歳以上」は184万人となり、年齢が上がるに従って増えていきます。
後期高齢者(75歳以上)に限定すると、第1号被保険者に占める認定者の割合は約32%(7Pを見ると88.7%でしょうか)となり、およそ3人に1人の割合になります。