40~50歳代の貯蓄額「平均」・「中央値」の差は3倍で大きく二極化
安定した老後を送るためには、早いタイミングから老後の資金準備をすることがとても大事です。
ただ、「そんなこと言われなくてもわかっている…なかなか取り組めない事情もある」のではないでしょうか。
というのも、就職氷河期世代は非正規雇用で働く人が多く、賃金差が大きいという特徴があります。
厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によれば、正社員の賃金が323万4000円に対し、非正規雇用の賃金は216万7000円。正社員の賃金の方が非正規雇用よりも、1.5倍多いという結果もあります。
実際の40~50歳代の、貯蓄事情をみてみましょう。もとになったのは、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和3年調査結果」です。
40歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(金融資産を保有しない世帯を含む)の結果
- 平均:916万円
- 中央値:300万円
《金融資産保有額分布》
- 金融資産非保有:24.8%
- 100万円未満:9.4%
- 100~200万円未満:7.5%
- 200~300万円未満:6.2%
- 300~400万円未満:4.6%
- 400~500万円未満:3.9%
- 500~700万円未満:9.2%
- 700~1000万円未満:6.7%
- 1000~1500万円未満:8.5%
- 1500~2000万円未満:4.8%
- 2000~3000万円未満:5.8%
- 3000万円以上:4.8%
- 無回答:3.7%
40歳代の貯蓄額平均は916万円、中央値は300万円であり、ほぼ3倍の差があります。
平均の数値は、一部の貯蓄を多く持つ人の影響で数値が大きくなる傾向があります。一方、中央値は、貯蓄額が少ない順または多い順に並べたとき、丁度真ん中になる人の貯蓄額を表します。
これより、40歳代の貯蓄状況を考えたとき、「300万円」が実態に近い数字といえます。
貯蓄の保有状況を比べてみると、「貯蓄が1000万円以上の世帯(23.9%)」と、「金融資産非保有の世帯(24.8%)」がほぼ同じ割合となっています。
老後資金の準備が順調な人、まだこれからの人、その進捗状況に大きな二極化傾向をうかがうことができます。