就職氷河期世代が抱える老後の不安

40~50歳代の貯蓄事情から、それぞれの年代でシビアな二極化という現実が見えてきました。

同じ調査で「老後の生活についての考え方」という項目があり、「心配している」と答えた人は、40歳代では87.3%、50歳代では81.9%でした。

老後の生活を心配していると答えた人に、心配の理由について調査したところ、以下のような結果となりました。

老後の生活を心配する理由(老後を心配している世帯)複数回答

出典:「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」をもとに筆者作成

40~50歳代どちらも共通して「十分な金融資産がない(40歳代71.8%・50歳代70.2%)」、「年金や保険が十分でないから(40歳代50.8%・50歳代55%)」が上位の理由となっており、先述の貯蓄状況を裏付ける結果といえます。

また、「退職一時金が十分ではない(40歳代33.3%、50歳代29.7%)」というのは、非正規社員と正社員での賃金形態、待遇の差を濃く感じる理由といえます。

就職氷河期世代の背景には、大きな苦労がありました。しかし、そんな中でも、一部の人は老後資金をしっかり準備しています。まだという人は、なるべく早めに、自身の老後に向けて準備を始めましょう。

そうしないと、自分の老後の問題を解決する前に「親の介護問題」が浮上する可能性もあるからです。