厚生年金の平均受給額は月額14万4366円

ここからは、今のシニア世代の年金受給事情を深掘りしましょう。引き続き、厚生労働省の「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にします。

厚生年金保険(第1号)の平均月額

  • 平均年金月額:14万4366円

厚生年金保険(第1号)の平均年金額(男女計)は14万4366円。「厚生年金の平均額は約14万円」であることは確かです。

とはいえ、さきほども触れたように

  • 厚生年金の年金額には、すでに国民年金の年金額が含まれている
  • 現役時代の収入・年金加入状況により個人差が大きく生じ、まさに受給額は「ピンキリ」状態である

この2点は意外に見落とされがちかもしれませんね。次で詳しくみていきましょう。

厚生年金の年金額は「国民年金分も含んだ金額」

さきほど紹介した厚生年金の平均月額「14万4366円」は、国民年金(老齢基礎年金)分を含めた金額です。

自営業など「ずっと国民年金だけに加入してきた人」が受け取るのは国民年金のみです。会社員や公務員だった人など「厚生年金の加入期間がある人」は「国民年金と厚生年金の合計額」を受け取ります。

厚生労働省の資料で公表されている「厚生年金の年金額」は、あくまでも「国民年金と厚生年金の合計」です。厚生年金の金額に、国民年金がプラスされるわけではありません。

ちなみに、国民年金の平均は5万6252円(令和2年度)です。単純計算にはなりますが、厚生年金の受給額から国民年金の受給額を差し引くと、8万8114円。

厚生年金部分だけを見ると、その平均額は9万円弱ということになるわけです。