厚生年金・国民年金のしくみ「2階建て構造」のキホンをおさらい

日本の公的年金制度は大きく分けると2種類。それが「国民年金」と「厚生年金」です。

1階部分を国民年金(基礎年金)、2階部分を厚生年金とする「2階建て構造」などとも呼ばれますね。まずは、下の図をごらんください。

年金制度は「2階建て」

出所:日本年金機構「国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり」(令和4年4月)、厚生労働省「日本の公的年金は『2階建て』」をもとに、LIMO編集部作成

厚生年金・国民年金の「加入者」は、それぞれどんな人?

次に、国民年金(基礎年金)と厚生年金の加入者について具体的な違いを整理しましょう。

※( )内は、冒頭で挙げた「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」におけるそれぞれの加入者数です。

■国民年金の加入者(3328万1594人)

国民年金には、日本に住む20~60歳未満の全員が加入します。

国民年金保険料は全員一律です。収入額に関係なく同じ金額を納めます(※1)。ともに将来受け取る年金額を決めるのは、現役時代の納付期間です。保険料を納めていない期間分、老齢基礎年金の満額(※2)から差し引かれます。

※1:第3号被保険者は、個別に国民年金保険料を納付する必要はありません。
※2:国民年金保険料を全期間納付した場合に受け取れる老齢基礎年金の満額は6万4816円(令和4年度)です。

■厚生年金の加入者(1610万133人)

厚生年金は、俗にいう「サラリーマン」が、国民年金に上乗せして加入します。さらに正確にいうと、会社員や公務員、一部のパートタイマーなどの第2号被保険者で、勤務先が厚生年金の加入条件を満たしている人が加入者です。

厚生年金保険料は、現役時代、収入額に応じた額を納めます。将来受け取る年金額は、納付した保険料と年金加入期間で決まるため、個人差が生じることは避けられません。

厚生年金の加入者は、国民年金にも「セットで」加入しており、給与天引きで「国民年金+厚生年金」の保険料を支払います。

年金のしくみのキホンをおさらいしたあとは、今のシニア世代の年金受給事情を詳しく追っていきましょう。