3. 令和版バブルはあり得る? その原因は?

アメリカを中心に新型コロナウイルスによる経済低迷から急回復局面を迎え、2021年度後半には米主要3指数(NYダウ、NASDAQ、S&P500)が史上最高値をつけるなど、令和版バブルが起こるのではないかとの懸念が広がりつつありました。

こうした景気加熱に対して、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は、「株式市場のフロス(小さな泡)が発生している」と発言しています。

これはバブルには至っていないが小さな泡が起こりつつあるという意味で、2000年にグリーンスパン元FRB議長が当時のアメリカの住宅市場について、当時の過熱感を表現した言葉をそのまま引用しています。

3.1 インフレになるかはFRBの政策次第

新型コロナウイルス以降、景気が急回復したことに伴い、働き手や原料が不足し、人件費や原料費が高騰。さらにロシアのウクライナ侵攻の影響により原料価格の上昇圧力も加わり世界的なインフレ局面に入ります。

こうしたインフレ局面に対し、FRBは世界に先立って金融引き締めに動きます。2022年5月のFOMCで0.5ポイント、6月で0.75ポイントと大幅な金利引き上げを行い、インフレ抑制の効果が出ているかを見極めながら、少なくとも2022年度末までは引き締めを継続していく予定です。

FRBが金融引き締めの程度を一歩間違えると、「フロス」と呼ばれるまで加熱した景気が急速に冷え込み、暴落が世界に広がる可能性があります。

つまり、今はバブル崩壊に向かう可能性も秘めている難しい局面にある状態といえるでしょう。