2. 過去のバブルの歴史
日本に住んでいるとバブル経済は、日本固有の出来事と思いがちですが、世界でも過去にバブル経済と呼ばれる状況は何度か起こっています。ここでは、過去に世界で起こったバブル経済の概要を紹介します。
2.1 チューリップバブル
世界でもっとも古いバブルは1630年にオランダ起こったチューリップバブルといわれています。当時、富の象徴とされていたチューリップはまだ希少で、チューリップの球根は高値で取引されていました。
やがてチューリップブームは最高潮に達し、価格は急上昇。適正な価格から大きく乖離したことからバブルと呼ばれています。
しかしその後、実体の価格と大きくかけ離れていることに多くの人が気づき、チューリップバブルは崩壊へ向かいます。
2.2 ITバブル
1990年代から2000年にかけて起こったITバブルはインターネットにより情報通信技術が急速に発展。インターネット関連や、その周辺機器の普及によって世界的に関連業種の株価が高騰しました。
しかし、やがて多くの世帯にインターネット環境が普及し、IT関連業種の企業価値と株価に乖離があることに気づき始めると株価が暴落を始め、ITバブルは終焉を迎えます。
2.3 リーマンショック
リーマンショックは、低所得者でも借りやすくした金利の高い住宅ローンであるサブプライムローンが発端となった金融危機です。
2000年代前半のアメリカでは住宅ブームに湧いていました。サブプライムローンは借り入れ当初は金利が低く設定されていて、住宅バブルによって不動産価格が上昇すれば、担保価値が上昇するので優遇金利借り換えができるという名目で、多くの低所得者の住宅取得を可能にしたのです。
一方、ローンを貸し出した金融機関は、このサブプライムローン債権を証券会社に売却。証券会社はさらにこの債権を他の金融商品と組み合わせ、複雑な高利回りの金融商品に作り変えて世界中のヘッジファンドや投資銀行に販売しました。
しかし、アメリカの住宅ブームが終わり、住宅価格が急落し始めるとサブプライムローンを返済できない低所得者が続出。そのため多くの債権購入者が損失を抱えることになりました。なかでも大量のサブプライム関連証券を保有していたリーマン・ブラザーズは、多額の損失を抱え破綻に至ります。
リーマン・ブラザーズの破綻は、多くの金融機関の破綻を連鎖的に引き起こしていきます。このリーマンショックも発端は住宅バブルが原因といえるでしょう。