厚生労働省は2022年8月23日、地方最低賃金審議会が答申した2022年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめました。

各地方最低賃金審議会で調査・審議した今回の結果については、10月1日から10月中旬までの間に順次発効される予定です。

答申のポイントを見ていくとともに、そもそも最低賃金とは何かについて確認していきましょう。

最低賃金のポイント1. 全国で30円~33円の引上げへ

地域別の最低賃金は、全国的に引き上げられることになります。

具体的な引き上げ額ごとの都道府県数は以下のとおりです。

  • 30円引き上げ:11県
  • 31円引き上げ20都道府県
  • 32円引き上げ11県
  • 33円引き上げ5県

これにより、全国加重平均は961円となり、31円の引き上げになります。

現行では、最も高い1041円の東京と最も低い高知・沖縄の820円に221円の差が有りましたが、今後はそれぞれ1072円、853円になるに伴い、差は219円に縮まります。

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出所:厚生労働省「令和4年度 地域別最低賃金 答申状況」

地域間の格差は2円改善される形です。

最低賃金のポイント2. 平均額31円の引上げは制度が始まって以降で最高額

厚生労働省によると、全国加重平均額31円の引上げは、昭和53年度に目安制度が始まって以降で最高額とのことです。

ちなみに昨年度に関しては、28円増の930円引き上げでした。

全国的に28円~32円の引き上げでしたが、それを上回る勢いです。この2年で、約60円の引き上げになるということですね。

最低賃金で働いていた方にとっては、目に見えて給料があがると実感されるのではないでしょうか。

最低賃金には2種類ある

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定めた制度のことです。事業主等はこの基準を守り、最低賃金以上の賃金を支払う義務があります。

この最低賃金には、実は「都道府県の最低賃金」と「特定最低賃金」があります。さきほどご紹介したのは、「都道府県の最低賃金」ですね。

これに対し、特定の産業で働く人が対象になるのが「特定最低賃金」。その産業は都道府県によって異なります。

もし両方の最低賃金が存在する場合、高い方の最低賃金が適用されます。

最低賃金と聞くと、時給で働く方に関係があるように感じるかもしれません。しかし、月給や日給労働者にもあてはまります。

時給をもとに、月給や日給にどのようにあてはめるのかも知っておきましょう。

月給や日給で働く人にも関係する「最低賃金」

時給以外で働く方にとっては、最低賃金は身近に感じられないかもしれません。

そこで、厚生労働省の「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」から、自分の賃金が最低賃金をクリアしているかどうかの確認方法をご紹介します。

月給労働者

正社員など月給で働く方は、下記の式に当てはめて計算します。

  • 月給÷1箇月平均所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

月によって休日数が異なるため、1ヵ月あたりの平均所定労働時間を使うことがポイントです。

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出所:厚生労働省「最低賃金の対象となる賃金」

日給労働者

日給で働く方は、下記の式に当てはめて計算します。

  • 日給÷1日の所定労働時間≧最低賃金額(時間額)

例えば日給が8000円で、1日の所定労働時間が8時間だったとします。

8000円÷8時間=1000円なので、住んでいる地域によってはアウトとなります。

もし日給が1万円なら、時給換算で1250円。こちらなら、どの都道府県でもクリアしていることになります。

最低賃金の相談先

今回の答申を受け、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続を経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から10月中旬までの間に順次発効される予定です。

「自分の給与が最低基準の水準を満たしているのか」と不安になった時は、まず最新の最低賃金を参考にしながら、給与と見比べてみるようにしましょう。

その上で、不明な点がある場合は職場に相談することになります。もしくは、都道府県の労働局も相談窓口となっています。

ご自身の給与を守るためにも、給与明細をしっかり確認する習慣をつけておきましょう。

参考資料