60歳代に向けた貯蓄の工夫

年代別に貯蓄と負債の推移を見てきました。若い世代では貯蓄より負債が大きいものの、40歳代で貯蓄1000万円を達成し、60歳代に最も貯蓄が増えるご家庭が多いとわかりましたね。

定年を迎えるであろう60代歳に向け、どのように貯蓄を工夫すればいいのでしょうか。住宅ローンなどの負債を抱える方は、貯蓄方法に悩まれるかもしれません。

貯蓄を増やす方法はさまざまですが、むやみな節約は避けましょう。まず取り入れたいのは給料日から一定額を引き出し、残ったお金で生活する「先取り貯金」です。

出典:金融広報中央委員会「家計管理の基本の「キ」は天引き貯蓄」

残し貯めから先取り貯金に移行することで、「今月に使えるお金」を明確にしましょう。先取り貯金に回す金額は、1年、5年、10年という単位でいくら貯めたいのかで逆算します。

先取り貯蓄の預け先は銀行でもいいですし、最近ではつみたてNISAやiDeCoをはじめる方も増えています。両方とも運用益が非課税になる制度なので、税金面でも優遇されます。

つみたてNISAやiDeCoは、投資信託などの商品を毎月一定額を積み立てていくもの。リスクがあるため、長期間運用することでリスクを分散させることが鉄則です。

リスクが有る代わりに、利息に利息がつく複利の効果を期待することができます。

必要となる貯蓄が1000万円という家庭もあれば、2000万円以上必要だという家庭もあるでしょう。居住地や年金の金額、家族構成によって老後の必要額は異なるものです。

いずれにしても、老後資金が不足すると思う場合には一部運用を取り入れるのもよいでしょう。

参考資料

太田 彩子