夏は子どもの間で感染症が流行します。東京都によると、都内の小児科定点医療機関からの第30週(7月25日~31日)における手足口病の患者報告数が都の警報基準を超え、大きな流行となっているようです。
病院にかかるときに重要になるのが、子どもの医療費助成制度。原則では小学校入学までの子どもの医療費は2割負担となっていますが、都道府県及び市区町村が行う医療費助成により、子どもの医療費負担はかなり軽減されます。
しかし自治体によって内容が異なるため、助成金額や対象となる年齢に違いがあることは、あまり知られていません。
引っ越しを機に助成対象から漏れることもあります。この機会に、地域ごとの実施状況を見ていきましょう。
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」を参考にLIMO編集部作成
乳幼児等医療費の対象となる年齢
子どもの医療費助成(乳幼児医療費に対する援助)は、基本的に都道府県の管轄です。
こちらに加え、市区町村単位で独自に上乗せしているため、同じ都道府県でも助成内容に差が出ているのが現状です。
違いはいくつかありますが、まずは年齢の違いに着目しましょう。厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」を参考にします。
都道府県ごとの対象年齢の違い
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」
- 4歳未満:通院3、入院1
- 5歳未満:通院1、入院0
- 就学前:通院25、入院20
- 9歳年度末:通院3、入院1
- 12歳年度末:通院4、入院6
- 15歳年度末:通院7、入院14
- 18歳年度末:通院3、入院4
- その他:通院1、入院1
通院か入院かによって、対象となる年齢が異なる自治体もあります。一番多いのが「就学前」で、次いで多いのが15歳年度末となっています。
小学校入学前、あるいは中学校卒業までを一区切りとする都道府県が多いようですね。
一方で、4歳未満とするところもあります。こちらの都道府県に住む場合は、3歳までしか助成を受けられないことになります。
次は市区町村レベルでの対象年齢を確認しましょう。
市区町村ごとの対象年齢の違い
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」
- 就学前:通院56、入院3
- 9歳年度末:通院10、入院0
- 12歳年度末:通院66、入院39
- 15歳年度末:通院873、入院895
- 18歳年度末:通院733、入院799
- 20歳年度末:通院2、入院2
- 22歳年度末:通院1、入院1
- 24歳年度末:通院0、入院2
市区町村単位で見ると、4歳未満というところはありませんでした。つまり、就学前まではどの自治体でも独自に上乗せして助成しているということです。
中には24歳の年度末まで入院費用を助成する自治体もありますね。
15歳年度末や18歳年度末まで助成する自治体も多く、手厚い自治体とそうでない自治体の格差が浮き彫りとなりました。
子どもの医療費助成に所得制限をつけるところも
一律で子どもの医療費を助成する都道府県がある一方、親の所得で制限をつける都道府県もあります。
都道府県ごとの所得制限の違い
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」
- 所得制限なし:通院18、入院19
- 所得制限あり:通院28、入院27
- その他:通院1、入院1
所得制限を設ける自治体が多い結果となりました。
市区町村ごとの所得制限の違い
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」
- 所得制限なし:通院1499、入院1504
- 所得制限あり:通院242、入院237
一方市区町村では、所得制限なしの方が多い結果となりました。都道府県の制度では所得制限に引っかかっても、自治体の単独の制度で助成してもらえるということです。
「入院の場合のみ所得制限なし」という自治体もあることがわかります。
子どもの医療費助成、自己負担は?
子どもの医療費助成(乳幼児医療費に対する援助)では、自己負担の有無でも違いがあります。ひと月あたり200円や500円などの自己負担が必要なところや、完全に無料とするところに分かれるのです。
都道府県ごとの自己負担の違い
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」
- 自己負担なし:通院10、入院12
- 自己負担あり:通院36、入院34
- その他:通院1、入院1
自己負担ありとする都道府県が多いようです。
市区町村ごとの自己負担の違い
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出典:厚生労働省「令和2年度 乳幼児等に係る医療費の援助についての調査」
- 自己負担なし:通院1124、入院1212
- 自己負担あり:通院617、入院529
市区町村ごとに見ると、自己負担なしという自治体が圧倒的に多いです。
例えば都道府県単位では自己負担として200円必要で、市区町村単位では自己負担なしとなっている場合、その200円分をお住まいの自治体が負担しているということです。
子どもの医療費は「どこでも無料」ではない
お住まいの地域によっては、現在お子さんが病院を受診しても、医療費の自己負担がゼロ円ということもあるでしょう。
しかし、これは都道府県や自治体独自の助成制度のため、住所が変われば内容が変わります。また子育て施策に力を入れる自治体では対象範囲を広げる動きもあるため、年度によっても内容が変わることは十分に考えられます。
今回ご紹介した資料は2020年度時点での調査のため、新たに更新されている可能性はあります。
対象者には「受給者証」が郵送されていると思いますが、くわしくはお住まいの自治体のホームページなどで確認してみましょう。
引っ越しを検討している方は、こうした助成制度なども比較対象にしておくと安心ですね。
参考資料
太田 彩子
