人件費増、人手不足などの要因から設備投資関連に注目
今週は、日本は大型連休ですが、米国市場では米連邦公開市場委員会(FOMC)、米雇用統計、アップルやフェイスブックの決算などの注目材料が発表されます。また、日本の連休の最終日である5月7日にはフランス大統領選挙の決選投票が行われます。このため、その発表内容次第では連休明けに大きく相場の方向性が変化することには注意したいと思います。
ここでは、連休明けに相場が混乱した場合でも、どっしりと構えて投資できるのアイデアについて考えてみたいと思います。例えば、以下の記事で紹介されている設備投資関連。中国での人件費増、日米での人手不足などの構造要因を背景にしているため、短期間でトレンドが大きく変化すると可能性は小さいと思われます。
ちなみに、足元で設備投資関連が好調なのは、生産ラインや物流倉庫の省人化に寄与するロボット関連や半導体や有機EL関連の製造装置関連です。
なお、この記事でも指摘されているように、株価は業績よりも直近の受注動向に大きく左右されやすいことには注意をして下さい。今すぐにということではありませんが、増収増益見通しに変化がなくても、足元の受注がピークアウトし、減速に向かうと、一気に株価の値動きが悪くなる、ということには注意が必要です。
このため、景気敏感の設備投資関連銘柄だけではなく、ある程度は景気変動の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄にも分散投資することも一案かと思われます。
半導体設備投資関連にも注目したい
設備投資関連の中でも現在、極めてホットな分野が半導体製造装置です。このことは、大型連休の谷間の5月1日の東京エレクトロン(8035)の動きを見れば一目瞭然です。同社は時価総額が2兆円を超える大型株ですが、2017年3月期の好決算を受けて、この日の株価は+13%の大幅高で引けています。
半導体関連市場が活況であることは、以下の中国の展示会の取材レポートからも実感されます。
ここで気になるのは、今後、日本企業が中国企業に席巻されてしまう可能性ですが、多くの中国企業は「日本には技術力があり、中国には潜在市場がある」と考えているため、直ちにそうした懸念が現実のものになる可能性は小さいと考えられます。
むしろ、優位性を確保できる差別化技術を持った日本企業にとっては、中国市場の拡大は大きなビジネスチャンスと捉えられそうです。
出所:中国の半導体業界の胎動を実感! セミコン・チャイナ2017現地取材レポート(投信1)
ロボット関連に投資するなら投信がおすすめ
設備投資関連が注目テーマであると述べてきましたが、生産財だけではなく、ビッグデータや人工知能(AI)を活用した広い意味でのロボット関連や自動運転関連にも注目したいと思います。日本や欧米などの先進国では、高齢化、人手不足が共通の社会的な課題となっているためです。
なお、関連銘柄が多い領域ですので、どの銘柄に投資すればよいのかよくわからないという方もいらっしゃるかもしれません。そうした方は、以下の記事で紹介されている投信に注目してみてはいかがでしょうか。
出所:トランプ政権下、ロボット関連株の投資信託は買いか!?(投信1)
LIMO編集部