【中国経済】日本経済へのプラスの影響も大きそう

もっとも、中国経済が失速する事により、日本経済にメリットもありそうです。

一つには、資源価格が落ち着くことです。中国経済は資源多消費なので、中国経済が失速すると世界の資源の需給が大きく緩む事が期待されるわけです。

日本は資源を大量に輸入していて、資源価格の高騰は「資源国に消費税を課されているようなもの」ですから、資源価格が低下することは日本国にとって非常に大きなメリットとなるはずです。

欧米では、資源価格下落の恩恵はさらに大きいかも知れません。

資源価格高騰がインフレを加速させ、金融の引き締めを招いているので、資源価格が下落(少なくとも安定)してくれれば、インフレ懸念が和らいで金融引き締めが終わると期待されます。

そうなれば、実体経済へのプラスの影響は大きく、懸念されている景気後退が回避できるかも知れません。

資源価格が安定して欧米の金融引き締めが終われば、金融市場も安定するでしょう。

世界的に株式市場は「金融引き締めによる株売り」「金融引き締めが招きかねない景気後退を懸念した株売り」に見舞われているわけで、それが終われば株価は反転する可能性も大きいでしょう。

為替レートに関しても、欧米の引き締めが終われば、極端な円安になるリスクは回避されるでしょう。日本経済にとって円安がプラスかマイナスかは議論のある所でしょうが、極端かつ急激な為替変動が望ましく無い事は当然でしょうから、これも日本経済にとってはリスクが減ると考えて良いはずです。

中国経済が失速し、新型コロナによるロックダウンリスクも考えれば、先進国の企業は中国への投資に消極的になるでしょう。加えて中長期的にも発展の持続が懸念されるようになると、ますます中国への投資のインセンティブは縮小して行くかも知れません。

中国に投資されていた一部でも日本に投資されるのであれば、それは日本経済にとって好ましいことです。