【中国経済】安全保障面への影響には要注目

別の観点ですが、今後中長期的に米中対立が続き、激化する可能性も考えると、投資が中国から先進国に戻ることは中長期的な対立の行方を考える上でもプラスの要因だと言えそうです。

筆者は外交や軍事には詳しくありませんが、中国経済が不振にあえぎ、投資が先進国に回帰することは、単に経済面での覇権ではなく軍事面を含めての覇権争いにも大きな影響を及ぼすかも知れません。

かつて旧ソ連は経済的な行き詰まりから米ソ冷戦の継続を諦めたわけですが、同じような事が米中間でも起きるかも知れません。そうなれば、外交や軍事の面でも世界の安定性は大いに増すでしょう。

もっとも、論者の中には中国が衰退を意識して「窮鼠猫を噛む」ような愚行に及ぶ事を心配する向きもあるようです。筆者にはその可能性の大小を論じる知見がありませんが、そうならない事を祈りながら筆を置くこととしましょう。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

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塚崎 公義