JR赤字ローカル線の転換は政治的には容易ではない

赤字ローカル線廃止法案は、対象地域に住む少数の地方住民が徹底的に反対する一方で、非対象地域の都市部住民はそれほど熱心に推進運動を繰り広げたりしないでしょう。

非対象地域の住民にとっては、大勢が少しずつ利益を得るだけなので、わざわざ推進運動を繰り広げるほどのインセンティブは持たないからです。

これは、農産物の輸入自由化の際にも見られるものです。

少数の農家が徹底的に反対する一方で、多くの非農家は「外国の農産物が少し安く買えるようになるのは嬉しいけれど、積極的に賛成運動に参加するほどのインセンティブは無い」と考えるわけですね。

政治が「多数派の小さいインセンティブの合計」を上手に吸い上げて政策に活かしてくれる事を期待したい所です。