将来の人口減少を見据えて、JR各社の赤字ローカル線はバスに置き換える事でコストを削減する事を真剣に検討してほしいと筆者は考えます(経済評論家 塚崎公義)。

JR赤字ローカル線の費用は大都市の利用者が負担している

JR各社は、地方の赤字ローカル線を抱えています。「地方の人が可哀想だから、赤字でもローカル線は維持してあげよう」と考えがちですが、その際に考えて欲しいのは、そのコストを誰が負担するのか、という事です。

ちなみに本稿では、わかりやすくするために国土を「大都市」と「地方」に2分して議論します。もちろん、実際には地方と言ってもさまざまなわけですが、簡素化するためですので、ご理解下さい。

さて、赤字ローカル線の費用は、大都市の乗客が負担しているわけです。乗客自身が負担している場合も勤務先が通勤手当として負担している場合もあるでしょうが。

それを理解した上で、大都市の人々が「そうした負担は我々都市部の人間が喜んで背負うから、是非とも地方の人々のためにローカル線を維持してあげてくれ」と言うのであれば、もちろん問題ないわけですが、そうでない場合には、広く議論されるべきでしょう。