3. 住宅ローン控除を生かす「住んでから投資」という選択肢も……!
ここまで現金一括もしくはローンを組んで不動産投資を始める方法についてお話してきました。
実はこの2つ以外に、住宅ローンを利用した「住んでから投資」という方法があるのをご存じですか?
「住んでから投資」とは、まずは住宅ローンで自己居住用の物件を購入し、マイホームとして自分が住みます。
その後自分は別な物件に引越し、元の物件を賃貸に出すことで収益を得る投資スタイルのことです。
詳しく見ていきましょう。
3.1 「住んでから投資」のメリット
- 不動産投資ローンよりも金利の低い住宅ローンが組める
- 住宅ローン控除を利用できる
通常不動産投資のための物件購入には不動産投資ローンや事業用のプロパーローンなどを利用しなければなりません。
しかし「住んでから投資」の場合、始めは自己居住用として物件を購入し実際に自分が住むことになるので、問題なく住宅ローンを利用することができます。
そのため住宅ローン控除を適用することも可能で、大きなオトク感があるでしょう。
3.2 「住んでから投資」のオトク度シミュレーション
実際にどのくらいのオトク度があるのか、6000万円を35年ローンで組むことを条件としてシミュレーションします。
【住宅ローン控除額】
6000万円/35年ローンの場合
……364万円
【不動産投資ローンと住宅ローンの金利負担の違い】
6000万円/35年ローン
住宅ローン金利0.475%/不動産投資ローン金利2.675%の場合
……住宅ローン控除を受けられる13年間で見た金利差約1015万円
13年間住宅ローンを使って自分が住んでから投資に回すのと、最初から収益物件として不動産投資ローンを組むのとでは、両方で約1,379万円の負担差が出ることが分かりました。
「住んでから投資」のオトク度が非常に大きいことが見て取れるのではないでしょうか。
「住んでから投資」のシミュレーションについて、詳しくはパワーカップルにも多い!?住宅ローン控除を投資に最大限生かす 20代で買って10年住んだら貸す 「住んでから投資」のおトク度の記事に載っています。ぜひ参考にしてください。
3.3 「住んでから投資」が可能な方法
実はこの「住んでから投資」のパターンを使うには注意点があります。
通常住宅ローンを借り続けたまま自宅を賃貸に出すのは、転勤などのやむを得ない場合で金融機関が認めたケースに限られます。
そのため「住んでから投資」をするには、
- 繰り上げ返済などでローンを完済してから賃貸に出す
- 不動産投資ローンに借り替える
などが必要なことに注意しなければなりません。
原則として、住宅ローンを使って不動産投資をすることはできませんので注意しましょう。
住宅ローンと不動産投資ローンの関係については以下の記事を参考にしてください。
- 不動産投資ローンと住宅ローンは併用できる? どっちを先に組むのが正解?
- 【要注意】住宅ローンを使って不動産投資をしていると、こんな時にバレる!
- 不動産投資ローンと住宅ローンの違いは? 融資を受けるならどちらが先?
まとめ
不動産投資は融資を受けて始めることができる点で、他の投資手法とは違う大きなメリットがあります。
少ない自己資金ですぐに始めることができレバレッジ効果もあるため、不動産投資に取り組む多くの人がアパートローンなどを利用しています。
しかし現金をためてから一括購入する手法ならではのメリットもあり、一概にどちらがいいとは言えません。
各投資家の投資スタンスや属性、自己資金額、今後の展望などに合わせて適した方を選ぶとよいでしょう。
ここで解説した「住んでから投資」も選択肢の一つとして、ぜひ検討してみてくださいね。
- 住宅ローンが使えるヤドカリ投資とは?メリット・デメリット・税制優遇を解説
- コロナ禍でアパートローンの融資状況はどう変わったのか?
- 【徹底比較】不動産投資ローンに積極的な銀行・金利一覧とフルローンの現状
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※この記事はLIFULL HOME'S 不動産投資コラムより提供を受けたものです。
参照記事
LIFULL HOME'S 不動産投資編集部