2. 住宅ローンの繰り上げ返済の適切なタイミングを考察

住宅ローンの繰り上げ返済は「早くやるべき」「このタイミングでするべき」と一概にいえるものではありません。

残債や家計の状況、将来のライフプランなどを踏まえ、相対的に判断する必要があります。

2.1 繰り上げ返済のタイミング1. 時期が早いほど効果が大きい

「期間短縮型」「返済額軽減型」いずれも、繰り上げ返済の時期が早いほど利息の軽減効果は高くなります。これは、返済当初のほうが利息の割合が大きいためです。

2.2 繰り上げ返済のタイミング2. 「住宅ローン減税」も考慮

住宅ローン減税を受けている間は、減税効果を踏まえて繰り上げ返済の適切なタイミングを検討しましょう。

出典:国土交通省「住宅ローン減税」

住宅ローン減税は、毎年のローン残高の0.7%を上限に所得税と一部住民税が控除される制度です。繰り上げ返済によってローン残債が減ることで、減税効果が損なわれる可能性もあります。

必ずしも、住宅ローン減税中の繰り上げ返済が損になるというわけではありません。住宅ローン減税では、次の3つのうちいずれか最も低い金額がその年の控除額となります。

  1. 所得税と住民税額
  2. 控除上限額
  3. 年末の住宅ローン残高の0.7%

たとえば、住宅ローン残高の0.7%が「1.所得税と住民税額」や「2.控除上限額」よりはるかに高いという状況では、繰り上げ返済が住宅ローン減税額に影響しないこともあります。

とはいえ、住宅ローン減税は1年限りの控除制度ではありません。減税効果と繰り上げ返済の効果を比較したい場合は、FPなどに相談するのがおすすめです。

2.3 繰り上げ返済のタイミング3.繰り上げ返済機能付きの住宅ローンも選択肢

「一定額、貯金ができたら、その都度、繰り上げ返済していきたい」と考えている方は、繰り上げ返済機能付きの住宅ローンを検討してみては?

機能は金融機関によって異なりますが、たとえば返済口座に指定額以上の残高がある場合、あるいは変動金利タイプに限定されますが、契約時に指定した返済額を下回る場合に自動で繰り上げ返済してくれるローン商品があります。