両親の介護と自分の介護不安の狭間で…

現在66歳で関東近郊に居住しているAさんは、介護のために両親の住む家に戻りました。

Aさんはもともと神戸で育ちましたが、Aさんの父親の転勤を機に便利な関東近郊に引っ越してきました。当時はAさんも都内に住んでおり、両親のいる家に帰りやすくなったと喜んでいましたが、介護する局面になって不便さを感じるようになったようです。

「自分にとっては住み慣れた街でもなく、土地勘もない。両親を病院に連れていくのも一苦労。両親はともに80代だが、介助や介護が必要な状態。施設に入ってもらうことも考えたが、かなり高額な費用がかかる施設しか空いておらず、自分も仕事をしているわけではなかったので自分での介護を選んだ」とのこと。

しかし、介護で忙しく過ごす生活の中でも、経済的な不安と住み慣れていない街での生活に孤独を感じることも多いのだと言います。

「今は自分が両親の介護をしているが、自分がこんなふうに介助や介護が必要になったときに誰が私の面倒を見てくれるんだろうと不安にもなる。

一応まとまった貯金はあるが、ここからは貯金が減っていくばかり。両親がいつ大きな病気をするかもわからない。自分もいつまで健康でいられるのかもわからない。不安要素が多すぎて、あまり先のことを考えないでおこうと心がけているくらい」と話してくれました。

介護を続けるにも体力、経済力がどこまで続くのか不安に感じているとのこと。これはおひとりさまに限らず、誰もが不安に思うことではありますが、この先もずっと自分ひとりで介護していくんだと思うと余計に不安になりますよね。老後生活への備えを十分にしたいものです。