新型コロナウイルスの新規患者数の急増を受けて、全国旅行支援の開始が延期されることが各社で報道されています。

定年退職を迎えた方は旅行を楽しみの一つにしていることも多いですが、しばらく我慢のときは続きそうです。

一方で、定年退職後は大きな贅沢ができないと考えている方もいるのではないでしょうか。退職金や年金は減少傾向が続いており、自分で資金を貯めることが求められています。

そんなとき選択肢の一つになるのが民間の「個人年金保険」ですが、似たものとして「個人年金共済」があります。

掛け金が安いというイメージを持たれる個人年金共済について、今回は解説していきます。

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1. 個人年金共済の仕組みとは?

個人年金共済とは、自分で老後の資金に備える個人年金の一つです。民間の生命保険会社が販売する「個人年金保険」に似ていますが、個人年金共済は「こくみん共済coop」や「JA共済」などの団体が運営しています。

個人年金保険との違いは他にもあります。

2. 「個人年金共済」と「個人年金保険」の違い

老後の資金を自分で作るとなると、選択肢にあがるのが「個人年金共済」や「個人年金保険」です。2つの主な違いを整理しましょう。

2.1 保険料の違い

「個人年金共済」も「個人年金保険」も、どちらも少額の掛け金(保険料)を出し合うことで大きなリスクに備えるという性質は同じです。

ただし、個人年金共済は一般的に営利目的でないため、掛け金が安い傾向にあります。

2.2 加入の違い

「個人年金共済」では、一般的に特定の団体に所属する人が加入対象となります。一方で、「個人年金保険」は保険会社が指定する条件(年齢)などを満たせば申し込むことができます。

そのため、「個人年金共済」の方が加入のハードルが高いこともあります。

2.3 監督しているところの違い

民間の保険会社が運営する「個人年金保険」の監督官庁は金融庁です。

一方、「個人年金共済」の監督官庁は団体によって異なります。労働組合などであれば厚生労働省、JA共済であれば農林水産省が監督しています。

3. 個人年金共済に入るべき?メリットとデメリットを整理

個人年金共済には、掛け金が安い傾向にあるというメリットがあります。できれば家計に負担をかけずに老後の準備をしたいものですよね。

では、すべての人にとって個人年金共済は魅力のある制度なのでしょうか。

ここでは他の選択肢に比べたメリットとデメリットを整理してみましょう。

3.1 個人年金共済のメリット1. 少ない掛け金で始められる

老後資金を貯めたいものの、どうしても毎月の負担を少なくしたい場合は、個人年金共済のメリットが高いといえます。

ただし、保障内容の確認は慎重に行いましょう。受け取れる年金が十分な金額かどうか、他の選択肢と比較することが大切です。

3.2 個人年金共済のメリット2. 個人年金保険料控除の対象になる

個人年金共済の中には、生命保険料控除が利用できるものもあります。家計の負担を減らしたい場合は、単純な「預貯金」に比べてメリットがあると言えるでしょう。

ただし、税制適格タイプの個人年金共済に限られます。必ず確認しましょう。

3.3 個人年金共済のデメリット1. 選択肢が少ない

個人年金共済はそもそものバリエーションが少なく、かつ自分が加入できる団体は限られます。最近では新規の受付を取りやめた共済もあります。

まずは自分が加入できる年金共済があるのか、確認することから始めないといけません。

3.4 個人年金共済のデメリット2. 万が一の破綻のリスクがある

個人年金保険などの生命保険では、万が一保険会社が破綻しても契約者保護があります。しかし、個人年金共済の場合は支払保証制度がありません。

リスクは極めて少ないものの、こうしたことも判断の一つに入れるといいでしょう。

3.5 個人年金共済のデメリット3. インフレリスクに備えられない

個人年金共済であっても個人年金保険であっても、年金の金額が契約時に決まっていれば、インフレに対応できません。

特に最近の物価上昇を体験していると、インフレに脅威を感じる方もいるのではないでしょうか。こうしたリスクに備えたい場合は、変額保険や資産運用などが選択肢になります。

ただし、これらには元本保証がありません。どちらのリスクをとるのかは、自分で判断することになります。

4. 公的な国民年金と厚生年金はいくら受給されているのか

最後に、受給されている公的年金の月平均を見ていきましょう。

日本の公的年金制度は2階建て構造となっており、1階の国民年金と2階の厚生年金にわかれます。

それぞれの平均受給額は以下の通りです。

4.1 国民年金の平均年金月額

平均額:5万6252円

  • 男性:5万9040円
  • 女性:5万4112円

1/2

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

4.2 厚生年金の平均年金月額

平均額:14万4366円

  • 男性:16万4742円
  • 女性:10万3808円

2/2

出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

グラフを見ると、それぞれの受給額は個人差が大きいことがわかりますね。個人差が大きいこと、さらには減少傾向にあることを踏まえて、老後の備えを考える必要があります。

5. 個人年金共済も選択肢に入れたマネープランを

個人年金共済は、老後の備えの一つです。「絶対に入るべき」「誰にとってもおすすめ」というものではなく、あらゆる選択肢を比較した上で、自分に合う方法を見つけるのが鉄則です。

今回お伝えした方法以外にも、iDeCoやつみたてNISA、その他の資産運用などでも老後の備えは可能です。

まずはどんな方法があるのかを知り、その上で自分に合う方法を検討してみてはいかがでしょうか。

参考資料