人生100年時代といわれる今日、ゆとりある老後の生活を迎えるにあたって、どのくらいのお金が必要なのか、どのようにお金を貯めたらいいのか不安に感じている方は多いのではないでしょうか。誰にとっても、老後の資産形成は重要な問題です。

しかし、現役世代にとっては目の前の生活で精一杯で、老後の生活を想像するのは容易ではありません。

そこで、「65歳以上・無職世帯」の貯蓄の実態について調べてみました。また、老後資金に向けた資産形成ついても考えていきましょう。

1. 65歳以上「無職世帯」の平均貯蓄とその中身【家計調査最新データ】

出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」(2022年5月)

貯蓄現在高:2342万円

内訳(構成比)

  • 通貨性預貯金:623万円(26.6%)
  • 定期性預貯金:924万円(39.5%)
  • 生命保険など:403万円(17.2%)
  • 有価証券:388万円(16.6%)
  • 金融機関外:4万円(0.2%)

貯蓄額は2000万円以上となりました。また、総務省統計局の家計調査報告によると、貯蓄残高が2500万円以上の世帯が33.3%で全体の3分の1を占めることも分かりました。現役時代から計画的に貯蓄を進めてきた人が多いのでしょう。

出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2021年(令和3年)平均結果-(二人以上の世帯)」(2022年5月)

次に、貯蓄の内訳を見ると、半分以上が預貯金であることがわかります。その一方で有価証券などの運用の割合も一定数あります。

国の税制優遇制度であるNISA等の関心の高まりも増加の要因かもしれませんね。また、コロナショックの株価下落を機に資産運用を始める人も多かったのでしょう。