3. 「老後2000万円」に潜む3つの落とし穴

しかし、この「老後2000万円問題」には注意すべき点が2つあります。

ここからは、「老後2000万円」の試算の注意点について解説していきます。

1つ目は家賃が1.4万円で計算されていることです。内閣府の令和元年版高齢社会白書によると、60歳以上の約9割が持ち家で居住しているという結果がでています。

そのため、家賃設定が低く試算をされているのでしょう。仮に、老後も賃貸物件に住む場合は、老後の住居費として家賃との差額分を追加で準備する必要があります。

2つ目は介護費用が含まれていないことです。人生100年時代と言われ、令和2年簡易生命表の概況によると90歳まで生存する者の割合は男28.4%、女52.5%となっています。男性は3~4人に1人、女性は2人に1人が90歳まで生きる時代になっています。

健康で長生きができればいいのですが、誰しもが介護になるリスクを抱えています。また、年齢が上がるにつれて医療費負担なども気になるところです。家族に迷惑をかけたくないという人は、2000万円に加え、介護費用を追加で準備する必要があります。

これらの注意点を踏まえると、2000万円で乗り切れるとは言い難いといえるでしょう。