4. 誰に投票するかは、それほど重要ではない

身も蓋もない話をすれば、一人の若者が誰に投票したかは、それほど重要ではありません。何万票の中の1票が誰に投じられようとも、それによって選挙の結果が変わる確率は低いからです。

したがって、10分しか考えずに投票したからと言って、10分間という限られた時間内でベストを尽くしたのであれば、それで十分なのです。「三日三晩考えれば別の結論に達したかも知れない」という事はあり得るでしょうが、気にする事は無いのです。

それより重要なことは、若者が投票した、という事実を政治家たちに知ってももらうこと。それによって、与党の政治家も野党の政治家も若者の利益を真剣に考えるようになるので、誰が当選しようとも、若者にとって状況が改善する可能性があるのです。

その意味では、筆者には若い頃の失敗談があります。筆者は政治に関心が強く、支持政党も明確に決まっていたのですが、ある時「与党支持者2人と野党支持者2人が選挙を棄権して麻雀をしよう」という誘いに乗ってしまったのです。

4人が投票しても棄権しても当選者は同じ人だったのでしょうが、4人の若者が棄権したことで、与党政治家も野党政治家もシルバー民主主義のインセンティブを高めてしまった、という事だったのでしょうね。

本稿は、以上です。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、厳密さより理解の容易さを優先しているため、細部が事実と異なる場合があります。

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参考資料

塚崎 公義