株式市場の値動きに安定感がなく、資産運用の動向に心が晴れない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、貯蓄とセットで語られることの多い「住宅ローン」を取り上げ、LIMOで過去配信した「60歳の住宅ローン残高はいくら?定年後もローンが残る家庭の老後資金」から住宅ローン返済における救済策を振り返ったうえで、老後の返済が苦しくならないよう、貯蓄のコツについても最後に紹介します。
それではまず、日本の60歳代の住宅ローン残高を振り返っていきましょう。
1. 60代の住宅ローン残高の平均
1/1
David Gyung/shutterstock.com
日本の60歳代の世帯は、どのくらい住宅ローンの残高があるのでしょうか。
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和3年)」の「各種分類別データ(令和3年)金融負債の状況等」から、世帯主が60歳代の住宅ローン残高を確認してみます。
【平均:661万円(中央値:200万円)】
- 50~100万円未満:0.5%
- 100~200万円未満:2.7%
- 200~300万円未満:5.9%
- 300~500万円未満:8.0%
- 500~700万円未満:8.5%
- 700~1000万円未満:3.2%
- 1000~1500万円未満:8.5%
- 1500~2000万円未満:6.4%
- 2000万円以上:10.1%
中央値は200万円ちょうどといった状況です。
次から、「60歳の住宅ローン残高はいくら?定年後もローンが残る家庭の老後資金」から住宅ローン返済における救済策を振り返ります。
2. 老後に突然お金が必要になった時の救済策
年金生活で住宅ローンの返済を続けることは大きな負担でもあります。
しかし、老後に突然お金が必要になるケースもあるでしょう。
そのようなときは、自宅(=不動産)を活用して老後資金を確保することができます。
十分な貯金などがない場合、自宅を担保とした借り入れを行うことができるのです。
ただし、住宅ローンの残債が減っていることが条件となることもあるので、まずは自分の住宅ローンの状況を整理・確認してみましょう。
2.1 不動産担保ローン
不動産を担保に借入をするローンです。
無担保ローンよりも金利が低く長期の借入が可能ですが、万が一返済不可能となった場合は自宅を失うリスクがあります。
また、事務手数料や不動産鑑定費用などの費用が数十万かかり、融資の実行までに1週間程度の期間が必要です。
2.2 リバースモーゲージ
自宅を担保に借入をする高齢者向けのローンで、債務者の死亡後に自宅を売却し、元本を返済する仕組みです。
子どもなどに家を残す必要がない場合に適しており、資金を調達しながら住み続けることができます。
融資枠内で一括・または定期的に融資を受け、返済は利息だけと負担は軽いですが、長生きした場合は存命中に融資限度に達してしまったり、金利の上昇で返済額が膨らんでしまったりするリスクもあります。
また、土地の評価額などで融資がされない場合もあるので注意が必要です。
3. 返済額が大きく毎月の負担が苦しい時の救済策
老後に住宅ローンの返済が難しくなった場合は、毎月の負担を減らすために返済額を抑える方法を検討することが大切です。
また、なんらかの事情で完済の見通しが立たなくなったときも以下のサービスを利用し、生活を立て直すこともできるはずです。
3.1 リ・バース60
対象年齢満60歳以上の高齢者向け住宅ローンで、年金収入のみの方でも利用可能です。
通常の住宅ローンとは違い、毎月利息分のみ支払うので負担が軽くなるのが特徴です。
元金は債務者が亡くなったときに現金で一括返済するか、不動産を売却して返済するかを選べます。
3.2 リースバック
不動産売買と賃貸借契約が一体となった契約のことで、自宅を売却後も家賃を払うことで同じ家に住み続けることができます。
資金繰りが苦しくなると自宅の売却を検討する方も多いですが、引っ越しは避けたいという人にもおすすめです。
しかし、売却価格は市場価格よりも安くなる傾向にあります。
以上、「60歳の住宅ローン残高はいくら?定年後もローンが残る家庭の老後資金」から住宅ローン返済における救済策を振り返ってきました。
4. 貯蓄上手な人が実践する基本4選
それでは、貯蓄上手の人たちの特徴も説明していきます。
4.1 お金を「貯める・使う」のタイミングを考える
通常、人生の過程は「お金を貯める」「お金を使う」タイミングでわかれます。
貯めるべきタイミングを逃し、後悔するといったことは避けたいですよね。
若い時はまだ収入が少ないうえ、自己投資などをされる方もいらっしゃるので、なかなかお金は貯まりづらいかもしれません。
一方、子供が成長し、教育費がかからなくなってくると、徐々に貯めやすくなってくるでしょう。
上記のように、個々人のライフステージにおいてタイミングを見定めることが重要です。
4.2 固定費を定期的に見直す
出費を減らす際に重要なのが、固定費の見直しです。
携帯電話やネット回線の契約、その他いろいろな定額サービスについて、サービスの内容と費用のバランスを考えてみることが効果的です。
また、保険を見直すことも大切です。
普段から使うサービスではない分、忘れがちでもあります。
4.3 お金が貯まる仕組みを工夫して作る
全てのお金をひとつの口座にまとめていると、収入・出費・貯蓄の入り混じった管理となってしまいます。
しかし、貯蓄用の口座をひとつ作り、自動積立定期預金などを活用すれば、お金が溜まっていく仕組みを簡単かつわかりやすく作ることができます。
4.4 投資・資産運用を実践
リスクを取った資産運用も重要です。
低金利下の現状、銀行にお金を預けているだけでは、効果的に資産を増やすのが難しい状況です。
一方、「投資」であれば、より高いリターンが期待できます。
もちろん、投資にはリスクが付きものです。「リターンがいくらになるかわからない」「損をするかもしれない」といった不安も生じてくることでしょう。
「いきなりハイリスクな投資は怖い」という人も多いと思いますが、世の中には投資信託や債券など数多くの投資商品があり、リスクも高低まちまちです。
投資初心者の方は、まずは好奇心のおもむくままに「投資ってそもそも何?」「どんな投資商品があるの?」といった初歩的な情報収集から始めてみると、楽しい資産運用のスタートが切れることでしょう。
5. まとめにかえて
いかがだったでしょうか。
日本のシニアの住宅ローン事情を振り返り、救済策の知識を把握すると、住宅ローンを借りて返済していく計画もより具体的に立てやすくなるのではないでしょうか。
ご参考に慣れば、幸いです。
【追記】2022年7月25日に追加で編集を行いました。
参考資料
石津 大希
