近年は、定年を間近に控えた60代でも住宅ローンを抱えている世帯が増えているといいます。30代後半や40代で35年ローンを組むと、60代に入っても返済が長く続くことになります。これには、晩婚化や出産年齢が上がったことも影響しているかもしれませんね。

定年後も十分な収入があったり、貯金がしっかりあったりすれば問題ないかもしれませんが、老後資金に余裕がない場合はどうしたらいいのでしょうか。今回は、60代の住宅ローン残高、さらにローンが残る家庭の老後資金について考えてみました。

60代の住宅ローン残高は平均いくら?

まわりの60代世帯は、どのくらい住宅ローンを残しているのでしょうか。金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和2年)」の「各種分類別データ(令和2年)金融負債の状況等」から、世帯主が60歳代の住宅ローン残高を確認してみます。

【平均:619万円(中央値:500万円)】
50~100万円未満:1.8%
100~200万円未満:0.9%
200~300万円未満:1.8%
300~500万円未満:8.8%
500~700万円未満:6.2%
700~1000万円未満:12.4%
1000~1500万円未満:14.2%
1500~2000万円未満:4.4%
2000万円以上:3.5%

多くの人が属すると思われる中央値は500万円です。退職金などのまとまったお金があれば完済も間近と感じられる数値かもしれませんが、1000万円以上の住宅ローンを残す世帯も全体の2割以上いると思うと、想像以上に住宅ローンが残っている印象を受けるのではないでしょうか。