2. 60歳~65歳までは無収入になることも

60歳で定年退職を迎える企業だと、65歳の年金受給までは無収入になる可能性が出てしまいます。

2.1 年金の待機期間

年金保険料の納付を終える60歳から、実際に年金支給がスタートする65歳までの間(特別支給の老齢厚生年金対象者は、該当する年齢に達するまで)を「待機期間」といいます。

この待機期間が長いほど、経済的不安は大きくなるものです。多くの場合、再雇用やアルバイト等で、年金開始までの生活費を稼ぐことになります。

2.2 特別支給の老齢厚生年金とは?

過去には国民年金の支給開始が65歳、厚生年金の支給開始年齢が60歳という時期もありました。しかし厚生年金の受給開始年齢は段階的に引き上げられ、現在では国民年金と同様、65歳からの受給となっています。

こちらの経過措置として、以下の条件を満たす方は65歳まで「特別支給の老齢厚生年金」を受け取ることができます。

1. 以下の日以前に生まれている

  • 男性…1961年4月1日
  • 女性…1966年4月1日

2. 老齢基礎年金の受給資格期間(10年)がある

3. 厚生年金保険等に1年以上加入していた

4. 60歳以上である

※実際の支給開始年齢は生年月日によって変わります。

2.3 年金の繰り上げ受給とは?

一方で、自分の希望により国民年金や厚生年金を65歳より前に受給することもできます。これを年金の繰上げ受給といいます。

最大60歳まで繰り上げることが可能ですが、その分1カ月繰り上げるごとに0.4%年金額が減額されます。つまり60歳まで繰り上げれば、年金は24%も減額されることに。

さらに65歳になっても本来の受給額に戻ることはなく、減額率は一生涯続くことに注意が必要です。再雇用や貯蓄の切り崩しでつなげるのか、それとも繰上げ受給をするのか。

どちらもメリットデメリットをしっかり考慮して、選択することが大切です。