まとめにかえて

日本では高額療養費制度があることによって、一般的な治療を受けている限り、「ひと月の医療費で200万円が飛んだ」といった事態はほとんどありません。そのため、民間の医療保険に入る必然性はそれほど高くないでしょう。

しかし、所得によっては自己負担限度額の積み重ねが家計を圧迫する事態が想定できます。

今回取り上げた年収800万円前後の層は、社会保険料や税金などが引かれて、実際の手取りは600万円程度になってしまう場合もあり、家計に余裕があるとは言い難い所得層です。

所得に応じて区分する場合、その境界線に近い所得の人はほんの少しの違いで明暗が分かれます。

これは仕方のないことですが、高額療養費の自己負担限度額の場合、段階の幅が大きいためかなりの差になってしまっています。

「健康に留意して医療費がかからないようにする、民間の医療保険に入る、貯蓄に励む」などの対策が考えられますが、個々の努力だけでは解決できない部分もあります。

賃金の引き上げや子育て世帯への支援など、今後の政策に期待したいと思います。

※読者のご指摘により文章を一部修正しました(2022年7月21日PM15:14)

参考資料

石倉 博子