年収700万円と年収800万円の自己負担限度額の違いを計算
総務省「民間給与実態統計調査(令和2年)」の勤続年数による平均給与を見ると、男性の勤続年数25年~29年の平均給与は725万円、30年~34年の平均給与は743万円となっており、年収700万円~800万円の層は特別に高給取りというわけではないでしょう。
しかし、前述の自己負担限度額の表を見ると、このあたりの年収を境に自己負担限度額が大きく変わっています。
年収700万円と年収800万円で自己負担限度額がどのくらい違うのかを見てみましょう。
年収以外の条件を同じにして自己負担限度額を計算してみます。
条件:会社員(50歳)、医療費100万円
- <年収700万円> 区分ウ:8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円
- <年収800万円> 区分イ:16万7400円+(100万円-55万8000円)×1%=17万1820円
年収800万円では、自己負担限度額が年収700万円の倍以上になっています。
標準報酬月額でみると、51万円の人と52万円の人で自己負担限度額が倍以上変わってしまうのです。
これが区分アの年収約1160万円以上であれば、貯蓄ができる分、自己負担額が上がっても仕方がない面がありますが、区分イに該当してしまう年収700万円後半から800万円前半あたりの層には厳しい制度設計と言えるのではないでしょうか。
高額療養費のもう一つの注意点
高額療養費制度は「ポイント1」でもお伝えしたとおり、同一月、同一の傷病で医療機関にかかった場合の医療費が対象となります。そのため、月をまたいで入院した場合は注意が必要です。
たとえば、年収500万円(区分ウ)の人が、20日間入院して保険適用の自己負担額が15万円だった場合。
同月に20日間入院していれば、限度額の8万2430円を超えた部分が高額療養費として支給されるのに対して、月をまたいで入院し「前月10日間で7万5000円、今月10日間で7万5000円」だった場合、限度額を超えていないので高額療養費の支給はありません。