女性は男性よりも平均寿命が長いことから、老後資金は男性よりも必要だという考え方があります。

しかし厚生年金の受給額は「現役時代の収入・加入期間」で決まるという性質上、どうしても男性よりも平均が少ない現状にあります。

特に今、年金を受給している世代ではその差が顕著です。

ここでは女性の平均寿命や実際の厚生年金受給額を知ることで、老後の暮らしについて考えてみたいと思います。

【注目記事】こんなに天引きされる?厚生年金と国民年金の実態。手取りと額面の違いを解説

1. 女性の平均寿命と健康寿命は男性より長い

厚生労働省「令和2年簡易生命表」によると、女性の平均寿命は87.74歳、男性の平均寿命は81.64歳です。6.11年の差があることがわかりますね。

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出所:厚生労働省「令和2年簡易生命表」

出所:厚生労働省「令和2年簡易生命表」

もちろん長生きは素晴らしいことですが、「長生きリスク」という言葉をご存知でしょうか。生きていく上ではお金が必要になるため、長生きするほどにお金がなくなるリスクをいいます。

また忘れてはいけないのが「健康寿命」という視点。健康寿命とは、日常生活に制限のない期間のことを言います。

厚生労働省が公表する「健康寿命の令和元年値について」によると、女性の健康寿命は75.38歳。

平均寿命が87.74歳なので、約12年間は家族や施設等の支えを受けながら生きるということですね。

日常生活に制限がかかれば、あらゆる補助に頼ることになります。日本には介護保険制度があるものの、医療費のように自己負担がかかります。

それとは別に医療費がかかることも想定すると、老後までに蓄えておくことが必要だとわかります。

老後の主な収入源は年金です。老後の収支を知るために、まずは収入の目安として「厚生年金受給額」の平均を知りましょう。

2. 女性の場合「厚生年金」の平均額はひと月いくらか

日本の公的年金には「国民年金」と「厚生年金」があります。

ここでは厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、会社員や公務員等で「厚生年金に加入していた女性」の平均額を確認します。

なお、以下でご紹介する金額には国民年金の金額が含まれています。

2.1 厚生年金受給額ごとの人数(平均:10万3808円)

  • 1万円未満:2万8004人
  • 1万円以上~2万円未満:6884人
  • 2万円以上~3万円未満:6万1267人
  • 3万円以上~4万円未満:10万9541人
  • 4万円以上~5万円未満:9万4941人
  • 5万円以上~6万円未満:10万3206人
  • 6万円以上~7万円未満:23万8112人
  • 7万円以上~8万円未満:44万9205人
  • 8万円以上~9万円未満:69万2135人
  • 9万円以上~10万円未満:85万2017人
  • 10万円以上~11万円未満:76万8808人
  • 11万円以上~12万円未満:57万9740人
  • 12万円以上~13万円未満:40万7435人
  • 13万円以上~14万円未満:28万8035人
  • 14万円以上~15万円未満:20万8976人
  • 15万円以上~16万円未満:15万2367人
  • 16万円以上~17万円未満:10万9888人
  • 17万円以上~18万円未満:7万5929人
  • 18万円以上~19万円未満:5万1905人
  • 19万円以上~20万円未満:3万7458人
  • 20万円以上~21万円未満:2万4850人
  • 21万円以上~22万円未満:1万6796人
  • 22万円以上~23万円未満:1万976人
  • 23万円以上~24万円未満:6934人
  • 24万円以上~25万円未満:3951人
  • 25万円以上~26万円未満:2188人
  • 26万円以上~27万円未満:1098人
  • 27万円以上~28万円未満:516人
  • 28万円以上~29万円未満:208人
  • 29万円以上~30万円未満:144人
  • 30万円以上~:375人

平均は10万3808円で、もっとも人数が多い受給額は「9万円以上~10万円未満」です。

ちなみに男性の平均受給額は16万4742万円です。月額で約6万円、年額にして約72万円もの差があることがわかります。

3. 専業主婦や自営業は厚生年金に加入できない

専業主婦や自営業の場合、厚生年金に加入できないため国民年金のみの受け取りになります。

今のシニア世代では、一度も働かずに結婚して家庭に入る女性も多い時代でした。また夫婦ともに自営業として働く女性も多いです。

そこで、国民年金の受給額についても実態を探ってみましょう。

3.1 国民年金受給額ごとの人数(平均:5万4112円)

  • ~1万円未満:6万2087人
  • 1万円~2万円未満:23万5046人
  • 2万円~3万円未満:71万1764人
  • 3万円~4万円未満:216万71人
  • 4万円~5万円未満:332万1823人
  • 5万円~6万円未満:462万1737人
  • 6万円~7万円未満:624万1716人
  • 7万円以上:147万3357人

平均は5万4112円で、ボリュームゾーンは「6万円~7万円未満」に集中しています。

厚生年金に比べると半分くらいですね。

4. 「自分の年金目安額」どう調べれば

女性の年金受給額を見ていきました。平均やボリュームゾーンを知ることで、「思ったより少ない」と感じた方もいるかもしれません。

これらは「現在のシニア」の受給額なので、私達が受給する頃には水準が変わっています。そしてその水準は、今より低くなる可能性が高いのです。

平均寿命が長い女性の場合、老後も長期間になることを想定したマネープランが必要です。そのために「収入目安」として年金見込額を把握しておきましょう。

誕生月に送られてくるねんきん定期便には必ず目を通りましょう。ただし50歳未満の場合、「今までの納付実績に応じた見込額」しか載っていないため、実際よりも少ない金額になります。

詳細にシミュレーションしたい場合は日本年金機構が運営する「ねんきんネット」を利用してみるといいでしょう。

今後の働き方等によっても見込額が変わるため、定期的にチェックするのが理想です。

見込額を知ることができれば、そこでようやく将来プランの第一歩です。老後の支出も考えて見ることで、足りない分の貯蓄を始めていきましょう。

預貯金・保険・資産運用などでバランスよく備えていきたいですね。

参考資料

太田 彩子