いよいよGWが迫ってきました。お出かけの予定が詰まっている方が多い一方で、コロナ禍の中おうちでゆったり過ごす方も意外に多いですよね。
いつもより時間がたくさんあるときは、「将来のお金」について考えてみてはいかがでしょうか。
「老後2000万円問題」なども話題となりましたが、そもそも今のシニア世代がいくらの年金を受給しているか、具体的に知っている方は多くありません。
厚生年金の平均月額は14万円ですが、実は厳しい老後格差もあるのです。
今回は厚生年金の受給月額を知るとともに、年金の増やし方をご紹介します。
【注目記事】「厚生年金の月平均が14万円」実はウソ⁈年金制度には落とし穴があった
1. シニアが受給する厚生年金は「9~10万円」が1番多い
まずは厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」より、今のシニアが実際に受給している年金の平均月額を見ていきましょう。
1.1 厚生年金の年金月額
全体平均月額:14万4366円
- 男子平均月額:16万4742円
- 女子平均月額:10万3808円
※国民年金の金額を含む
平均は14万4366円です。しかし、平均値には「一部の大きな値に引っ張られる」という落とし穴があります。
そこで「受給額ごとの人数」もみることで、より詳しい実態を確認しましょう。
1.2 厚生年金の受給月額ごとの人数
1/2
出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:10万511人
- 1万円以上~2万円未満:1万8955人
- 2万円以上~3万円未満:6万6662人
- 3万円以上~4万円未満:11万9711人
- 4万円以上~5万円未満:12万5655人
- 5万円以上~6万円未満:17万627人
- 6万円以上~7万円未満:40万1175人
- 7万円以上~8万円未満:69万4015人
- 8万円以上~9万円未満:93万4792人
- 9万円以上~10万円未満:112万5260人
- 10万円以上~11万円未満:111万9158人
- 11万円以上~12万円未満:101万8423人
- 12万円以上~13万円未満:92万6094人
- 13万円以上~14万円未満:89万7027人
- 14万円以上~15万円未満:91万3347人
- 15万円以上~16万円未満:94万5950人
- 16万円以上~17万円未満:99万4107人
- 17万円以上~18万円未満:102万4472人
- 18万円以上~19万円未満:99万4193人
- 19万円以上~20万円未満:91万6505人
- 20万円以上~21万円未満:78万1979人
- 21万円以上~22万円未満:60万7141人
- 22万円以上~23万円未満:42万5171人
- 23万円以上~24万円未満:28万9599人
- 24万円以上~25万円未満:19万4014人
- 25万円以上~26万円未満:12万3614人
- 26万円以上~27万円未満:7万6292人
- 27万円以上~28万円未満:4万5063人
- 28万円以上~29万円未満:2万2949人
- 29万円以上~30万円未満:1万951人
- 30万円以上~:1万6721人
こうして人数分布を眺めてみると、厚生年金の月額平均のボリュームゾーンは9万円以上~10万円未満の112万5260人だということがわかります。
全体平均は14万4366円ですが、実際にはもっと低い人が多いということです。受給額の目安を知りたいとき、平均だけを参考にするのはこのようなリスクがあります。
2. 厚生年金に加入していない人は「国民年金のみ」の受給に
さらに忘れてはいけないのが、「そもそも厚生年金を受給できない人がいる」ということです。
日本の公的年金制度は2階建てとなっており、1階に国民年金、2階に厚生年金があります。厚生年金に加入できるのは会社員や公務員のみ。
つまり、自営業や専業主婦などで一度も厚生年金に加入したことがない方は、「国民年金のみ」の受給となるのです。
では国民年金の受給額はいくらぐらいなのでしょうか。同資料から確認してみましょう。
2.1 国民年金の年金月額
全体平均月額:5万6252円
- 男子平均月額:5万9040円
- 女子平均月額:5万4112円
受給額ごとの人数もみることで、より詳しい実態を確認します。
2.2 国民年金の受給月額ごとの人数
2/2
出所:厚生労働省「令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 1万円未満:7万4554人
- 1万円以上~2万円未満:29万3600人
- 2万円以上~3万円未満:92万8755人
- 3万円以上~4万円未満:284万2021人
- 4万円以上~5万円未満:466万3638人
- 5万円以上~6万円未満:776万979人
- 6万円以上~7万円未満:1483万5773人
- 7万円以上~:188万2274人
平均は5万6252円です。またボリュームゾーンは6万円以上~7万円未満になっていますね。
国民年金には満額があるため、どれだけきっちり納めても満額以上の年金を受給することができません。
厚生年金の受給事情も厳しいものでしたが、国民年金加入者はさらに老後の備えが必要だと言えそうです。
3. 年金を増やす方法とは
シニアが受給する年金受給額について見ていきました。
実際の年金額は個々の納付状況で変わるため、一概には言えません。しかし厚生年金を受給する人でもっとも多いのが「9万円以上~10万円未満」という事実に、驚いた方も多いのではないでしょうか。
少ない年金を増やすために、個人でできる対策を2つご紹介します。
3.1 「国民年金基金」に加入するか付加保険料を納める
国民年金はどうしても厚生年金に比べると手薄になるため、自営業者等を対象にした「国民年金基金」があります。
自分で決めた掛け金を納めることで、将来の年金額を増やせる方法です。また掛け金は所得控除の対象になるので、現在の税負担を軽減させるメリットもあります。
同じく自営業者等を対象とした「付加保険」もあります。毎月400円を上乗せして納めることで、年金が200円増えるというものです。2年で元が取れるので、ぜひ検討したいですね。
ただし「国民年金基金」と「付加保険」は併用できないので注意しましょう。
3.2 iDeCoに加入する
「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)」とは、自分で元本確保型(定期預金や保険)や投資信託から金融商品を選び、金額を決めて積み立てる私的年金制度です
こちらは自営業者等でなくても利用できるので、厚生年金の金額が少ない方でも検討できます。
iDeCoは将来の年金を自分で準備できるだけでなく、「運用益が非課税」「掛金が全額所得控除」「受給時には公的年金控除や退職所得控除が利用」など、税制面でのメリットも非常に高いです。
働き方によって掛け金の上限額が異なる点には注意しましょう。
年金の金額が不安になっても、現役時代からできる対策はたくさんあります。受給年齢になってからでは遅いので、早めに確認しておきたいですね。
参考資料
太田 彩子
