年金の「繰下げ受給」デメリットを3つ確認
最大で84%も増額できるとなると、かなりお得に思える繰下げ年金。
しかし厚生労働省の「令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、実際に繰下げ受給を選択した人はここ数年1%台しかいません。
制度を知らないだけでなく、繰下げ受給にはデメリットがあるため「あえて選択しない」人もいると考えられます。
繰下げ受給の主なデメリットは3つです。
年金受取までの収入確保が必須
年金の受給を遅らせるのであれば、その間の収入を確保することが必須です。貯蓄を切り崩してしまっては、せっかく年金の受給額をあげても老後の不安はなくならないでしょう。
つまり繰下げ受給を選択するには、長く働き続けるか不労所得を得る見込みがある必要があるのです。
健康面や家族の介護などにより、働きたくても働けない可能性はゼロではないので、慎重に考える必要があります。
年金額が増えれば税金や保険料もあがる
あまり知られていませんが、年金には所得税や住民税、健康保険料、介護保険料などがかかります。特に税金面では非課税ラインだった方が課税される額になった場合、負担感が増すでしょう。
手取りと額面が違う以上、「思った以上に増えなかった」ということも十分考えられます。
加給年金が受け取れない
加給年金とは年金の扶養手当にあたるもので、条件を満たす配偶者や子どもがいる場合に上乗せされる年金です。
しかし受け取れる期間が限定的であるため、繰下げ受給をすることによって加給年金が受け取れなくなるケースがあります。
家族がいる方にとっては十分に考慮すべき点ですね。