週末の試合から逆算した理想の練習は「週3回、1回の練習時間は90分」

「週末の試合で最高のパフォーマンスを発揮する」

この目標から逆算してスケジュールを組む。そうすれば自ずと週に3日の休養が必要になることが理解されるでしょう。
 
ところが現状は、毎日の練習をがっつり積み重ねた上で週末に試合。つまり、疲労をがっつり蓄積させた上で試合。もはやその非合理性は説明するまでもないはずです。

公園での「ボール遊び禁止」こそ禁止を

何よりも大切なのはちゃんと食べること、たくさん遊ぶこと、しっかりと休むことなのだから、練習が休みの日でもボールを蹴りたいという子は迷うことなく近所の公園へ行けばいいということになります。

遊びと練習は別物だからです。仲のいい友達と一緒に遊ぶサッカーって最高に楽しくて、その楽しさこそが上手くなるために一番大切な要素なのですから、怒鳴り声が響く部活の練習なんかより格段に有益なのです。

だからこそ、日本の大人の方々、「公園でのボール遊び禁止」なんていう杓子定規の典型みたいな看板は今すぐ取り払ってしまうのがよいと思います。

「どうしても危ない」というのなら、公園の一画にフットサルのコートを作ればいい。そして、そのコートをフェンスで囲んであげればいいと思います。

こうすればボールが飛んで出て行くこともないし、車にぶつけられたからって怒鳴り散らす面倒なおじさんもいなくて済むし、子供たちは思いっきりボールを蹴ることができます。

制限のある環境でこそ「マリーシア」が生まれる

実は、このコートをフェンスで囲むってところがポイントで、囲まれているからこそできる遊び方というのがあって、その〝遊びの方法〟こそが上手くなるために最も有効なんです。

しばらく前に日本で随分と「マリーシア」って言葉が語られていました。それはイタリア語だと「アストゥツィア」だったり「マリツィア」となって、意味は「狡猾さ」。

要するに、ズル賢さだったり抜け目のなさだったり。ざっくり言ってしまえば、マラドーナやロナウジーニョにみる他とは明らかに質の異なる巧さ、その正体。これを身につけようとする上で最も理に叶う遊び方がいくつもあるのです。

紙幅の都合で本項では紹介できないのですが、ここで言う遊び方は拙書「カルチョの休日」に載せているので、興味がある方はそちらを軽く覗いてみてくださいね。