もうすぐ入学式のシーズンです。
厳しい保活を乗り越えてきた共働き世帯やシングル世帯にとって、ホッと一安心するタイミングに思えます。
しかし小学校入学のタイミングを「小1の壁」とし、退職を余儀なくされる方も少なからずいます。
保育園等に預けて仕事を続けてきた母親が、なぜ小学校入学のタイミングでキャリアから離れてしまうのでしょうか。
今回は学童保育の現状や、その他のさまざまな背景を紐解いてみます。
小1の壁とは?
小1の壁とは、子どもが小学校に入学するタイミングで、仕事と育児の両立が困難になる事象を総称したものです。
困難となる原因は様々ですが、その一つとして「保育園」と「学童保育」の違いがあります。
学童保育とは、親が就労していて家にいない児童のために、小学校の終了後等に余裕教室や児童館等を利用して預かり、その健全な育成を図るための施設のこと。
正式名称は「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)」といいます。
厚生労働省の「令和2年(2020年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」によると、2020年7月1日現在で2万6625か所あり、131万1008人の児童が利用しています。
一方で、利用できなかった児童数は1万5995人。保育園と同じように、学童保育にも待機児童が存在するのです。
もし学童保育を利用できることとなっても、そこには保育園にはない困難さがあります。小学校入学のタイミングで退職することになったケースを2つ見てみましょう。