【事例1】小1の壁で退職を決意した正社員のAさん
Aさんは年長・年少・0歳児の3人の子どもを育てています。責任感が強く、夫とも協力することで育休を毎回4カ月しかとらず、正社員として仕事をこなしていました。
しかし長女が小学校に入学するにあたり、地域の登校班から説明を受けたところ、思いも寄らぬことを聞かされました。
それが、月に1~2回回ってくる旗振り当番(旗当番)です。早朝に指定された横断歩道に立ち、児童の安全を見守る活動のことで、免除は認められません。
早速職場に相談したところ、これまでの仕事ぶりから信頼の厚いAさんは、月1~2回、1時間の遅刻(時間休)が認められました。
しかし実際に始めたところ、下の子ども達も連れて行かないといけないことに困難さを感じます。
2人の子どもを自転車の前後に乗せて連れ、月曜日には昼寝布団やおむつバケツも持参します。
見守りが終わった時点で、下の子ども達をそのまま保育園に送迎するしかありませんでした。
職場からの理解は得られたものの、PTAとしては「子連れ禁止」のルールがあったため、注意されてしまいます。
職場にも申し訳ない気持ちを抱え続けていたAさんは、結局正社員を諦めて仕事をセーブすることになったのです。
執筆者
株式会社モニクルリサーチ メディア編集本部
LIMO編集部記者/編集者/元公務員
京都教育大学卒業。株式会社モニクルリサーチが運営する、くらしとお金の経済メディア「LIMO(リーモ)」のLIMO編集部において、厚生労働省管轄の公的年金制度や貯蓄、社会保障、退職金など、金融の情報を中心に執筆中。大学卒業後は教育関連企業での営業職を経て、2010年に地方自治体の公務員として入職。「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」「福祉医療」等の業務に従事した。主に国民健康保険料の賦課、保険料徴収、高額療養費制度などの給付、国民年金や国民健康保険への資格切り替え、補助金申請等の業務を担う。特に退職に伴う年金や保険の切り替えでは、手続きがもれることで不利益を被ることがないよう丁寧な窓口対応を心がけた。その後、保険代理店にてマーケティング業務に従事。保険料比較サイトの立ち上げに参加した。乗合保険会社の商品ページだけでなく、保険の知識を普及するためのページ作成にも参加。ニ種外務員資格(証券外務員ニ種)保有。小学校教諭一種免許、幼稚園教諭一種免許、特別支援学校一種免許取得。
はたらく世代のお金の診断・相談サービスを行うマネイロでは、「【計算例付】厚生年金保険料はどのように決まる?ケース別算出方法や受給額を解説」など、お金や年金制度にまつわる記事を発信中。京都府出身。(2024年9月4日更新)