潜在成長率の基本は技術進歩

成長率がゼロだと不況だと言われて失業率が上がってしまいますから、潜在成長率はゼロより高いはずですね。なぜでしょうか。人口が増えている国であれば、生産量が増えないと失業者が増えてしまうわけですが、それより重要な要因は、技術が進歩するからです。

針と糸で作業している洋服屋にミシンが導入されると、労働者一人当たりの洋服生産量が劇的に増えます(労働生産性が上がる、と言います)から、昨年と同じGDP、すなわち同じ生産量だと必要な労働者の数が減って失業者が増えてしまうわけです。

ここで重要なことは、技術進歩とは新しい発明発見のことではなく、実際に使われている技術の進歩の事だ、という事です。貧しい途上国の洋服屋がミシンを買うことが出来るようになると経済が成長し、潜在成長率が上がるわけです。