潜在成長率が長期的に低下するのは、産業構造の変化等々の一般的現象ですが、少子高齢化も大きな要因となっています(経済評論家 塚崎公義)。
財政金融政策の目的は潜在成長率の達成
潜在成長率という言葉があります。失業率が上がりも下りもしない成長率、といった意味の言葉です。実際の成長率が潜在成長率から乖離すると、問題が起きるので、政府日銀が財政金融政策で成長率を潜在成長率に近づけるように頑張るわけです。
景気が悪いと、企業が生産を減らすので労働者を雇わなくなり、失業が増えます。成長率が潜在成長率を下回るわけですね。そこで、失業増加を防ぐため、景気刺激策が採用されることになるでしょう。
細かい事を言えば、望ましい失業率を上回っている分だけ、短期的には潜在成長率を上回る成長をさせて失業率を下げる必要があるわけで、常に潜在成長率を目指すわけではありませんが。
反対に景気が良く、企業が大量に物を作るようになると、大勢の労働者を雇うので失業率が下がります。成長率が潜在成長率を超えるわけですね。そうなると、労働力不足で賃金が上がってインフレになる、といった心配が出てくるので、財政金融政策で景気を抑えて成長率を押し下げるわけですね。