長引く物価高で家計の節約を強化する人が増えていますが、「節約疲れ」を感じている人も多いようです。株式会社メルカリは、長期化する物価高やいわゆる年収の壁と呼ばれている「103万円の壁」が123万円に引き上げられたことを背景に、生活者の意識や行動の変化について調査を実施しました。

メルカリが節約に関する意識調査を実施1/11

メルカリが節約に関する意識調査を実施

出所:株式会社メルカリ

1. 【メルカリの意識調査】節約疲れを65%が実感

メルカリが2025年8月22日に発表した「物価高時代の節約に関する意識調査」(18〜59歳の男女600人対象)では、生活者の厳しい家計事情が浮き彫りとなりました。この1年間で「節約を強化した」と回答した人は36%に上り、物価上昇への意識が高まっている一方、約7割(65%)が「節約疲れを感じている」と回答しました。

約4割が節約を強化、残りのうち約5割も1年前と比べて同程度に節約を行っている2/11

約4割が節約を強化、残りのうち約5割も1年前と比べて同程度に節約を行っている

出所:株式会社メルカリ

「とても感じる」「やや感じる」を合わせた約7割が節約疲れを感じている3/11

「とても感じる」「やや感じる」を合わせた約7割が節約疲れを感じている

出所:株式会社メルカリ

「節約の終わりが見えない」「常に価格を気にして買い物をすることに精神的な負担を感じる」といった声も寄せられ、節約そのものがストレス要因になっていることがうかがえます。

さらに、政府による経済対策についても「期待していない」「期待していたが諦めた」との回答が過半数を超えています。

賃金・時給の引き上げや減税、給付金など政府の経済対策への期待を調査4/11

賃金・時給の引き上げや減税、給付金など政府の経済対策への期待を調査

出所:株式会社メルカリ

生活者は「自分でどうにかするしかない」と考える傾向を強めているようです。

2. 【メルカリの意識調査】「脱・節約」志向が顕在化

調査では、家計対策を「収入増」と「支出削減」のどちらに重きを置くかも尋ねています。その結果、3人に1人(32%)が「収入を増やす」方向を選択する「脱・節約派」であることが判明しました。

節約ではなく、収入増に力を入れたいと考える人は増えたか5/11

節約ではなく、収入増に力を入れたいと考える人は増えたか

出所:株式会社メルカリ

「収入を増やすことにも力を入れたい」と答えた人まで含めると約7割に達し、生活者のマインドは節約一辺倒から「攻めの家計防衛」へと変化しています。背景には、終わりの見えない物価高と、節約だけでは限界があるという切実な状況があります。

3. 【メルカリの意識調査】「103万円の壁」撤廃が追い風に

今年から制度が見直された「年収の壁」も、意識の変化に大きく影響しています。これまで「103万円の壁」により働く時間を制限していた人のうち、約4割が「今後は働く時間を増やしたい」と回答しました。

所得税がかかる年収の上限が123万円に引き上げられたことを受けた変化6/11

所得税がかかる年収の上限が123万円に引き上げられたことを受けた変化

株式会社メルカリ提供

実際に働く時間をすでに増やした人も9%おり、働き方の選択肢が広がったことが収入増への意欲を後押ししています。1人あたりの平均増加希望時間は月13.3時間と、生活に無理のない範囲で収入を補填しようとする姿勢が見て取れます。

4. 【メルカリの意識調査】スキマバイトが最も関心を集める

「今後取り組みたい家計対策(脱・節約術)」では、「ポイント活動(ポイ活)」がすでに9割近くに浸透している一方、「スキマバイト」が43%で最も関心を集めました。

収入を上げるための脱・節約術の調査7/11

収入を上げるための脱・節約術の調査

出所:株式会社メルカリ

これはフリマアプリでの不要品販売(29%)や投資(31%)を上回る数値であり、スキマバイトが新しい副収入源として強い期待を集めていることがわかります。

希望する副収入額は「月3万円以内」が約6割を占めており、家計を大きく変えるよりも、日常に少しゆとりを与える「ちょい足し」の収入を求める傾向が強いようです。

5. 【メルカリの意識調査】スキマバイトは有効と6割以上が回答

副収入を得る際に重視される条件は「自分の好きなタイミング・都合の良い時間で働ける」(50%)、「1日数字間など、短い時間だけでも働ける」(49%)、「毎月、安定した金額が継続的に得られる」(47%)が上位に並びました。

柔軟性、短時間、安定、両立・併用可能などが副収入源に求められる8/11

柔軟性、短時間、安定、両立・併用可能などが副収入源に求められる

出所:株式会社メルカリ

これらの条件に合致する働き方として、スキマバイトは高い評価を得ています。

実際に「スキマバイトは副収入源として有効」と答えた人は64%に上り、その理由として「短時間だけ働けるから」(74%)、「すぐに給与が得られるから」(47%)、「自宅近くで働けるから」(45%)などが挙げられました。

「とても有効」が24%、「やや有効」が40%とスキマバイトを有効と考える人は約6割9/11

「とても有効」が24%、「やや有効」が40%とスキマバイトを有効と考える人は約6割

出所:株式会社メルカリ

柔軟性と手軽さという副収入源に求める条件とスキマバイトの特性はマッチする10/11

柔軟性と手軽さという副収入源に求める条件とスキマバイトの特性はマッチする

出所:株式会社メルカリ

これらの調査結果から、スキマバイトが「柔軟性」と「手軽さ」という生活者のニーズにマッチしていることを裏付けています。

6. 【メルカリの意識調査】専門家が指摘する「節約疲れ」と収入増の両立

節約アドバイザーの丸山晴美氏は、「節約疲れは物価高が続く今、誰もが直面している課題」と指摘。その上で「節約と収入増、資産運用をバランスよく組み合わせることが理想」と語っています。

節約アドバイザー・消費生活アドバイザー 丸山晴美氏11/11

節約アドバイザー・消費生活アドバイザー 丸山晴美氏

出所:株式会社メルカリ

そんな中、今回の調査から「月3万円程度の副収入が生活にゆとりを与える」という点に注目し、スキマバイトは「空いた時間を使って、無理なく確実に家計に貢献できる手段」として注目が集まっていると評価しています。

生活者は節約一辺倒の家計防衛から「収入を増やす」方向へシフトしていることが明確に。政府の経済対策に期待できない中、スキマバイトは柔軟で手軽に始められる副収入の選択肢として、今後ますます注目を集めることになりそうです。

参考資料

大蔵 大輔