毎年発表されるSDGs達成度レポートにおいて、「ジェンダー平等」の目標達成に向け日本が解決すべきと指摘されている3つの課題があります。それは「国会の女性議員の割合」「男女の賃金格差」「無償労働(=家事)時間の男女格差」です。
これを聞いて「やはり」と感じた女性の方もいらっしゃるかもしれません。ここでは3つの課題の実情や、世界との違いを詳しく解説したいと思います。
1.日本の女性議員割合は193か国中166位
国会の女性議員の割合が半数に近くなれば、女性の意見が社会のさまざまな部分に反映されやすくなるはずです。しかし日本の衆議院では女性議員が9.9%(2021年4月時点)と、およそ10人に1人の割合になっています。
これは世界193か国中166位であり、SDGsの目標である50%にはほど遠い割合になっています。また参議院は23.0%と衆議院に比べ多いものの、やはり「ジェンダー平等」とは言いがたい状況です。
一方で諸外国の割合は、以下のようになっています。
2021年のSDGs達成度ランキングで1位を獲得したフィンランドをはじめ、欧州諸国の女性議員は日本より高い割合を占めています。また同じ東アジアの中国や韓国と比べても、日本はかなり見劣りしてしまいます。
出産や育児と公職の両立が難しい
日本で女性の議席が少ない理由の一つに、議員活動と妊娠や出産、育児などの両立が難しいことが考えられます。というのも2021年に行われた「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」の一部改正で、家庭生活との両立を支援する環境整備を国や地方自治体に義務付けたからです。
以前は「努力義務」だった法律を、わざわざ「義務」に引き上げています。これは女性議員が子供を産み育てながら、公職を行う環境がなかなか整わない事情からではないでしょうか。仕事と家庭の両立が難しいのは、国会議員も同じなのかもしれません。