年収400万円台世帯「みんなの貯蓄・負債額」

正規・非正規に分けた年収や労働時間を見てきましたが、先ほどの結果は既婚・未婚ともに含まれ、また年齢もさまざまです。ご家庭によって夫婦の働き方は異なるでしょう。

総務省統計局の「労働力調査(詳細集計)」によれば、2020年は共働き世帯が1240万世帯で、専業主婦世帯が571万世帯。現代の主流は共働き世帯です。

ただ、女性の働き方で増加しているのはパートタイムです。フルタイムで働く女性は1985(昭和60)年から2020(令和2)年までほとんど400万台世帯で推移し、増加していません。一昔前は「会社員の夫と専業主婦の妻」が多かったですが、今は「会社員の夫とパートの妻」が多いでしょう。

それでは、日本の標準である年収400万円台世帯のお財布事情について、総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2020年(令和2年)」より確認します。

年収400万~450万円世帯(平均年収423万円)

  • 世帯人員:3.23人(うち18歳未満人員0.87人)
  • 世帯主の年齢:50.6歳
  • 女性の有業率:39.4%
  • 平均貯蓄額:911万円
  • 平均負債額:555万円(うち「住宅・土地のための負債」508万円)
  • 純貯蓄額:911万円(貯蓄)-555万円(負債)=356万円

年収450万~500万円(平均年収474万円)

  • 世帯人員:3.05人(うち18歳未満人員0.81人)
  • 世帯主の年齢:50.1歳
  • 女性の有業率:49.5%
  • 平均貯蓄額:813万円
  • 平均負債額:601万円(うち「住宅・土地のための負債」560万円)
  • 純貯蓄額:813万円(貯蓄)-601万円(負債)=212万円

上記を見ると、両方とも家族3人で50歳くらいの夫婦と18歳未満の子どもがひとり。400万円台前半では専業主婦世帯が多く、400万円台後半になるとおよそ半分が共働き世帯です。世帯年収を上げるには共働き率も影響しているようですね。

平均的な貯蓄額は800〜900万円台と1000万円に近い水準です。住宅ローンの残りは500万円ほど。貯蓄から負債を引いた「純貯蓄額(ほんとうの貯蓄)」でみると200〜300万円になりました。