老後に2000万円はほんとうに必要なのか
貯蓄を2000万円以上保有しているのは二人以上世帯で約3割、単身世帯で約2割でした。実際には保有できていない人も多いようです。
そもそも、ほんとうに老後資金に2000万円が必要なのでしょうか。
「老後2000万円問題」とは、老後を30年間と仮定した場合、年金だけでは生活費が2000万円不足するというものです。「老後2000万円問題」のもととなった試算を確認しましょう。
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の毎月収支
- 実収入:20万9198円
- 実支出(主に食費):26万3718円
月々の赤字額=約5万5000円
老後必要額=5万5000円×12ヶ月×30年=1980万円
※老後は30年と仮定
上記で見ると、たしかに老後に2000万円不足しますね。
ただ、実際には個人差が大きいもの。たとえば「実収入」はほとんどを年金が占めますが、年金額は働き方や収入などにより差があります。国民年金か厚生年金か、厚生年金ならどれくらいの期間加入し、収入はどれくらいであったかなどで受給額に個人差・家庭差があるでしょう。
また、生活費にも家庭により異なります。上記は住居費が1万円台で計算されており、持ち家と想定されています。
持ち家か賃貸か、車は保有しているか、交通手段は何を使うか、住んでいる地域の物価はどうか、どのような生活をしているかで差が出るでしょう。